著者
杉木 竣介 田中 正二 山崎 俊明 後藤 伸介 東 利紀 黒田 一成
出版者
The Society of Physical Therapy Science
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.50-55, 2023 (Released:2023-02-15)
参考文献数
18

〔目的〕本研究は,人工膝関節全置換術(TKA)後の個別理学療法(個別療法)と個別集団併用型理学療法(併用型療法)を比較し,併用型療法の効果を明らかにすることを目的とした.〔対象と方法〕個別療法を行った者を個別療法群,併用型療法を行った者を併用型療法群とした.研究形式は後ろ向きコホート研究とした.〔結果〕膝関節屈曲可動域(ROM)は,術後3週と術後4週で個別療法群よりも併用型療法群で有意に大きかった.併用型療法群は,個別療法群よりも膝伸展筋力体重比が有意に高く,杖歩行獲得日数および在院日数が有意に短かった.〔結語〕TKA後の併用型療法は,個別療法よりも膝ROMや膝伸展筋力,杖歩行獲得日数や在院日数に正の効果を与える可能性が示唆された.
著者
辻 圭一 横川 正美 田中 正二 洲崎 俊夫 立野 勝彦
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.453-457, 2008 (Released:2008-07-28)
参考文献数
21

〔目的〕本研究では,車椅子を使用している片麻痺患者の座位姿勢中の座圧の特徴と,車椅子専用クッションが座圧に与える影響について検証した。〔対象〕対象は脳卒中片麻痺者9名で,歩行練習を実施している4名(片麻痺歩行群)と歩行練習を実施していない5名(片麻痺介助群)に分けた。また,麻痺がなく下肢筋力が低下した歩行困難な4名(筋力低下群)も調査した。〔方法〕被検者は標準型車椅子に‘クッション無し’と‘有り’の条件で各10分間座り,体圧分布測定装置で座圧を測定した。分析には座圧の体重補正値を用い,対応のあるt検定を用いた。〔結果〕クッション無しで非麻痺側と麻痺側を比較した結果,片麻痺歩行群では非麻痺側の座圧が有意に高かった。片麻痺介助群と筋力低下群にはそのような違いは生じなかった。クッション有りで片麻痺歩行群と介助群の非麻痺側と麻痺側を比較した結果,差は認められなかった。下肢筋力低下群の左右差もみられなかった。〔結語〕片麻痺者は障害の程度により座圧の特徴があることが示された。また,クッションの使用により,非麻痺側と麻痺側の座圧の偏りが解消することが示唆された。