著者
野村 俊之 岩垂 正宏 田中 直也
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声
巻号頁・発行日
vol.98, no.424, pp.19-26, 1998-11-20
参考文献数
17
被引用文献数
8

本稿では、1999年2月に規格化予定のMPEG-4/CELPに関して、その概略と特徴、符号化アルゴリズムについて解説する。MPEG-4/CELPはMPEG-4オーディオ規格を構成する符号化方式の一部であり、音声信号向けの汎用符号化方式として採用されている。MPEG-4/CELPは、他の規格に比べ、ビットレート制御機能と階層符号化機能を有することを最大の特徴とする。ビットレート制御機能によりMPEG-4/CELPは、4〜24kbit/sのビットレートで高品質な符号化品質を達成する。階層符号化機能は、多地点テレビ会議、無線通信、インターネット通信・放送などにおいて高品質な通話を可能とする。
著者
田中 直也 湯 素華 小花 貞夫
雑誌
デジタルプラクティス (ISSN:21884390)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.198-217, 2018-01-15

スマートフォンの使用可能時間の短さが問題になっており,その原因の一つとしてWi-Fiの使用がある.最近ではSocial Networking Service(SNS)のように,データを受信するタイミングが不定期的なアプリケーションが増えており,その通信のためにWi-Fiを常に起動して電力を多く消費している.本稿では,モバイル端末の消費電力の改善を目的として,電力消費の少ないBluetooth Low Energy(BLE)を用いて必要なときにだけWi-Fiをウェイクアップさせることで,Wi-Fiの使用による消費電力の削減を行う方式を提案して,PC上にシステムを実装し,評価を行った.その結果,従来の省電力モード(PSM)と比較して,消費電力を約36%削減できることを確認した.
著者
西口 正之 井上 晃 前田 祐児 松本 淳 田中 直也
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声
巻号頁・発行日
vol.98, no.424, pp.27-34, 1998-11-20
被引用文献数
5

本稿では、MPEG-4標準化に提案中の低ビットレート音声符号化方式Harmonic Vector eXcitation Coding(HVXC)について、その構成を説明する。HVXCは2.0kbpsおよび4.0kbpsの固定ビットレートモードと、2.0kbps以下の可変ビットレートモードを有している。符号化アルゴリズムとして、有声音部分においてはLPC残差のハーモニックコーディングを、無声音部分においてはCELP方式を用いることで低ビットレートでも良好な音声品質を得ている。主な特徴として、4.0kbpsのビットストリームのサブセットを用いて2.0kbpsで復号するビットレートスケラビリティー機能、音韻やピッチを変えずに再生スピードをコントロールする機能などがある。98年8月のMPEGの公式主観評価試験の結果、2.0kbps HVXCの音質は4.8kbpsのFS1016 CELPの音質よりも優れていることが確認された。HVXC音声符号化方式は1998年10月にMPEG-4 Final Draft International Standard(FDIS)に選定された。