著者
堀内 浩規 吉原 貴仁 小花 貞夫 鈴木 健二
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.103-112, 1999-01-15
被引用文献数
2

ネットワーク管理システムの構築への分散オブジェクト技術の適用が注目されており、今後の普及が予想される。ここでは、分散オブジェクト環境へTMN(電気通信管理網)やSNMP(Simple Network Management Protocol)に準拠した既存装置の収容が必須となる。本論文では、分散オブジェクトの業界標準であるCORBA(Common Object Request Broker Architecture)環境にTMN/SNMP装置を収容する方式を提案する。提案方式は、X/OpenとTeleManagement ForumによるJIDM(Joint Inter Domain Management)が規定した、TMNやSNMPの管理情報定義とCORBAのIDL(インタフェース定義言語)定義との対応付けの規定をベースとして、そのIDL定義を拡張子、また、新たにIDL操作と管理操作の対応付け、オブジェクトの名前の対応付けを規定した。提案方式を実証するため、SNMP装置を収容するCORBA/SNMPゲートウェイ、ならびに、任意の管理情報定義に対応可能とするためのCORBA/SNMPゲートウェイジェネレータを実装した。さらに、生成したCORBA/SNMPゲートウェイプログラムを用いた処理時間等の評価を通して提案方式の有効性を示した。This paper proposes accomodation method of TMN (Telecommunications Management Network)-based and SNMP (Simple Network Management Protocol)-based equipments in network management systems based on distributed object technology. Although JIDM (Joint Inter-Domain Management) group by X/Open and TeleManagement Forum specifies translation algorithms from TMN and SNMP MIB (Management Information Base) definition to CORBA (Common Object Request Broker Architecture) IDL (Interface Definition Language) definition, the IDL definition is not sufficient for the accomodation. Therefore, the proposed method extends the IDL definition for efficient operations and newly defines the mapping rules among management operations and IDL operations, based on JIDM. Furthermore, we implement CORBA/SNMP getaway based on the proposed method and we show the effectiveness of the method through the implementation and evaluation.
著者
井原 卓也 土岐 卓 大岸 智彦 小花 貞夫
雑誌
第77回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, no.1, pp.211-212, 2015-03-17

従来、WebサイトはPCによる閲覧を前提に作成されており、表示する端末の消費電力は十分考慮されていなかったが、近年のスマートフォンの普及に伴い、Webサイト閲覧時の消費電力の重要性が増加してきている。そこで、筆者らはWebサイト閲覧時のパワープロファイルを用いた端末リソース毎の消費電力を考察し、端末での消費電力効率の良いモバイルWebサイトの作成方法を研究をしている。本研究の目標は、HTMLや画像などのWebサイトの構成要素毎に消費電力を推定し、その結果より、消費電力の少ないモバイルWebサイトが作成できるようになることである。これまでに、端末リソース毎の消費電力を測定し、既存のモバイルサイトとPCサイトの作成方法による消費電力の違いについて調査した。本発表では、それについて報告する。
著者
田中 直也 湯 素華 小花 貞夫
雑誌
デジタルプラクティス (ISSN:21884390)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.198-217, 2018-01-15

スマートフォンの使用可能時間の短さが問題になっており,その原因の一つとしてWi-Fiの使用がある.最近ではSocial Networking Service(SNS)のように,データを受信するタイミングが不定期的なアプリケーションが増えており,その通信のためにWi-Fiを常に起動して電力を多く消費している.本稿では,モバイル端末の消費電力の改善を目的として,電力消費の少ないBluetooth Low Energy(BLE)を用いて必要なときにだけWi-Fiをウェイクアップさせることで,Wi-Fiの使用による消費電力の削減を行う方式を提案して,PC上にシステムを実装し,評価を行った.その結果,従来の省電力モード(PSM)と比較して,消費電力を約36%削減できることを確認した.
著者
堀内 浩規 小花 貞夫 鈴木 健二
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.46, pp.229-230, 1993-03-01

OSI応用層のデータ要素を定義するASN.1の高速な符号化/復号を可能とするライトウェイト符号化規則(LWER)が注目されている。LWERは、ワードを符号化の単位として、計算機の内部表現と親和性を持つ符号化規則である。INTEGER等の固定長の値を持つ型は1ワードで符号化を行い、OctetString等の可変長の値を持つ型は、値の長さ/オフセット(オフセットと値との相対位置を示す)/値の3組により符号化を行い、値を符号化データの後部にまとめて配置する。また、構造形に含まれるオプショナルな型の場合には、可変長の型と同様オフセットを使用して符号化を行う。筆者等は、これまでに抽象構文からLWERの符号化/復号プログラムを自動生成し、応用層プログラムの開発を容易にするLWERコンパイラを開発している。今回、生成される符号化/復号プログラムの処理時間を向上させるべく、LWERコンパイラの機能拡張を行ったので、その概要と結果を報告する。
著者
渡辺 尚 小花 貞夫 水野 忠則 萬代 雅希 石原 進 四方 博之 渡辺 正浩
出版者
静岡大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

アンテナの指向性を利用したユビキタスインフラを開発することを目的とし、可変指向性を利用したメディアアクセス制御(MAC)、ルーティングの高度化、テストベッドの開発と実証実験等を行った。より具体的には、指向性MAC,ルーティングプロトコルの高度化としては、(1)マルチレート環境に適した指向性MACプロトコル、(2)指向性隠れ端末問題やデフネス問題を低減するルーティング、(3)複数メインローブとネットワークコーディングを利用したマルチキャスト、メインローブとヌルを同時利用するマルチレートMACなどを開発した。また、テストベッドの開発と実証実験としては、(1) UNAGIとMICA moteを用いた階層型ネットワークの構築と実験、(2)特定実験試験局免許を取得したUSRP2/GnuRadioによる実験などを行った。以上の成果を国内外の学会等で発表した。
著者
西山 智 横田 英俊 小花 貞夫 鈴木 健二
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.35, no.12, pp.2762-2773, 1994-12-15
被引用文献数
2

これまでOSIディレクトリは、MHS(メッセージ通信システム)等のOSI通信システムや通信利用者に必要なアドレス等の通信情報を提供する目的で実装が進められてきたが、近年インテリジェントネットワーク(IN)等の実時間交換システムでのネームサーバとしての適用が検討されるようになった。このような適用では、DSA(ディレクトリサービスェージェント)は大量のエントリ(例えばINのSDF(サービスデータ機能)では交換機1台の加入者数である10;件以上)を格納し、交換処理に影響を与えない時間(例えばSDFでは数十ミリ秒)内にディレクトリ操作を実行できなければならない。従来のOSIディレクトリの実装はDSAの大規模化を想定しておらず、DSAの大規模化に伴い名前解析処理性能が急激に低下するため、実時間交換システムのネームサーバとして適用できない。そこで本論文は、ハッシュを用いることで、大量のエントリを格納した場合にも十分高速な名前解析処理が実現できる、新しい名前解析処理方式を提案する。本提案方式では、まずDSAが操作対象のエントリをローカルに格納しているか否かを、識別名のハッシュ値をキーとして直接2次記憶上のエントリの惰報を検索し確認する。もし、ローカルに格納していない場含は、操作対象に最大一致する分散処理知識を、名前のハッシュ値をキーとして主記億上で検索する。本提案方式に基づくソフトウェアを、筆者らが既に実装した○SIディレクトリ専用DBMSに追加実装し、その有効性を評価、実証した。
著者
西浦 升人 長谷川 晃朗 金 鍾玉 山口 明 小花 貞夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MoMuC, モバイルマルチメディア通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.498, pp.1-5, 2007-01-18
被引用文献数
4

現在,有限な周波数資源の有効利用の実現に向けて,コグニティブ無線技術の研究開発が盛んに行われている.コグニティブ無線技術とは,周囲の電波環境を認識し,その状況に応じて無線リソースや通信方式を適応的に使い分け,周波数の有効利用をはかりつつユーザの所望する通信容量・通信品質を満足する技術である.また昨今,ストリーミング配信や音声・ビデオ通話といったリアルタイム性を必要とする通信の需要がますます高まっていることから,例えばビデオ会議中に巨大なファイルダウンロードの必要が生じるといったような,要求品質特性の異なる通信が一端末上で同時に発生する状況が今後ますます増えてくると予想できる.筆者らは,そのような状況においても各端末ユーザが各通信において所望する通信容量・通信品質を満足できるようにするために,複数の無線システムの適応的同時利用を前提としたコグニティブ無線アクセスネットワークの実現に向けた研究開発を行っている.本稿では,コグニティブ無線アクセスネットワークの概要について説明し,その後,コグニティブ無線アクセスネットワークにおいて,上述のようなユーザ所望の通信容量・通信品質を満足するために必要となるQoSルーティングのフレームワークについて述べる.
著者
近藤 良久 鈴木 龍太郎 吉村 直子 寺田 岳大 山口 真司 四方 博之 三浦 龍 小花 貞夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SAT, 衛星通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.174, pp.69-74, 2010-08-19

地震等の大規模災害発生時,超高速インターネット衛星「きずな」(WINDS)の車載局やVSATを被災地域に設置し,無線メッシュネットワークによって地上に面的な通信エリアを確保することで,迅速に仮設のネットワークを展開することができ,被災地での活動を支援することができる.本稿では,被災地での利用に対する要望の多い,IP電話通話といったリアルタイム性の要求の高いアプリケーションの被災地での利用について,実際にWINDSと無線メッシュネットワークを接続した導通試験を行ない,検証を行なったので報告する.また,無線メッシュネットワークを長期間運用するための電源の問題についても,実験を通した検証を行った.
著者
野原 光夫 遠藤洋介 堀松 哲夫 難波 秀彰 間瀬 公太 小花 貞夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.64-69, 2009-01-15
被引用文献数
1

近年発展が著しいユビキタス・ネットワーク社会において,自動車がネットワークにつながることによって,人と自動車と道路に関連する情報が融合する新たな潮流が生じている.このような流れの技術は,ユビキタスITS(Intelligent Transport Systems)と呼ばれている.ユビキタスITSでは,交差点での出会い頭の衝突回避から交通情報の配信まで多様なニーズがあり,それぞれに異なった運用要求を持っている.これらの要求に対して,同様に多様化が進んでいる無線メディアを効果的に選択,あるいは,組み合わせて利用することにより,それぞれの要求に応えていくことが期待されている.本稿では,具体的な研究開発事例を通じて,ユビキタスITSについての現在の状況,および,今後の展望について紹介する.