著者
田中 美央 西方 真弓 宮坂 道夫 倉田 慶子 住吉 智子
出版者
新潟大学医学部保健学科
雑誌
新潟大学保健学雑誌 = Journal of health sciences of Niigata University (ISSN:21884617)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.69-78, 2017-03

本研究の目的は,重度障がい児を育てる母親の,子どもの反応に関する内面的支え体験を明らかにす\nることである。母親12名を対象に半構造的面接方法によりデータを収集し質的帰納に分析を行った。結果,【子どもの「元気な状態」が維持できた】【わが子らしさや子どもの好きなことや楽しみなどがわかった】【期待・希望をもって育児に向かう】【子どもなりの成長をとらえ子どもに合わせてかかわることができた】【子どもが家族や周囲の人から大切にされた】【子どもとのやり取りを通して母親として思いを深めた】の6つの体験が明らかになった。育児の負担軽減と同時に,母親の育児の内面的支えを理解することが,母親自身のレジリエンスを支援するうえで重要であることが示唆された。子どもの身体状態の安定,成長を支える機会の提供と環境調整,さらなるインテグレーションの促進が重要と考えられた。
著者
住吉 智子 田中 美央 岡崎 章 菊池 司 坂本 信
出版者
新潟大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

入院児への,ゲーミフィケーション要素を盛り込んだ学習教材として,AR(Augmented Reality)を応用したデジタルコンテンツを開発した.この学習教材は,探索型として子どもがiPad miniを操作しながら,画像が3D(3-dimensional)に出てくるものである.親子の印象評価実験からは,満足感と達成感が得られていた.また,2週間後の再テストでは,子どもは医療従事者が説明したことよりARで出てきたキャラクター場所を記憶している傾向があった.対象である子どもが能動的に体を使って遊びながら主体的に学んだ内容は時間が経過しても,知識が定着する可能性が高いことが示唆された.