著者
太田 康晴 田口 昭彦 秋山 優
出版者
山口大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

重度の糖尿病をきたすWolfram症候群は、WFS1遺伝子の変異により発症する。我々は、WFS1欠損マウスの膵β細胞において時計遺伝子ネットワークの出力部分の転写因子に異常がある(DBP活性の低下)ことを見出した。DBP活性が膵β細胞特異的に抑制されるような遺伝子改変マウスは顕著なインスリン分泌不全を伴う耐糖能障害を呈していた。正常な膵β細胞は、摂食が始まる時間に備えてインスリンが速やかに分泌されるような準備状態を作るが、DBP活性が抑制されている膵β細胞はこのような準備が出来ないことが示唆された。つまり膵β細胞における体内時計の異常はインスリン分泌不全さらには糖尿病を引き起こす可能性が高い。
著者
宮崎 睦子 田口 昭彦 櫻木 志津 篠原 健次 井上 康 Mutsuko MIYAZAKI Akihiko TAGUCHI Shizu SAKURAGI Kenji SHINOHARA Yasushi INOUE 山口県立中央病院内科 山口県立中央病院内科 山口県立中央病院内科 山口県立中央病院内科 山口県立中央病院内科 Department of Medicine Yamaguchi Prefecture Central Hospial Department of Medicine Yamaguchi Prefecture Central Hospial Department of Medicine Yamaguchi Prefecture Central Hospial Department of Medicine Yamaguchi Prefecture Central Hospial Department of Medicine Yamaguchi Prefecture Central Hospial
雑誌
山口医学 = Yamaguchi medical journal (ISSN:05131731)
巻号頁・発行日
vol.52, no.5, pp.183-187, 2003-10-31
参考文献数
12

A 66-year-old male complained of thickening of the skin at the face, posterior neck and back after a febrile episode. The patient had obesity, elevated levels of HbA1C and urinary C-peptide. The seological tests for collagen diseases were negative. The serum level of vascular endothelial growth factor (VEGF) was elevated. The biopsied skin specimen revealed the thickening of the dermis by the increased proliferation of collagen fibers, thickening of collagen bundles with fenestrations and infiltration of lymphocytes. Scleredema caused by diabestes mellitus and obesity was diagnosed, accompanied with insulin resistance. The patient was initially treated with administration of prednisolone, followed with diet therapy. Scleredema ameliorated partially, however elevated level of VEGF persisted after 6 months of discharge. It is unclear whether elevated level of VEGF may be related to the pathogenesis of the disease or may be an aggravating factor.
著者
溝口 桂 川端 悠士 南 秀樹 田口 昭彦
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.Db0573-Db0573, 2012

【はじめに】 糖尿病療養に於ける運動療法の自己効力感(self-efficacy;SE)を高める教育は,運動療法へのアドヒアランスを向上させる為に効果的である.またSEの向上は生活習慣の改善に結びつき糖尿病の治療や予防に有効であるとされている.糖尿病を対象とした運動療法の効果に関しては緒家らにより多く報告されているが,運動療法前後の自己血糖測定(selfmonitoring of blood glucose;SMBG)がSEに与える影響を検討した報告は渉猟の範囲では見当たらない.そこで,今回糖尿病教育目的で入院となった患者に対し,アンケート調査にてSMBGによるSEの有効性を検証し,当院の運動療法効果を立証すると共に考察を得たので報告する.【方法】 2010年7月から11月の間に糖尿病教育目的で入院した20例(男性14名,女性6名)を対象とした.病前から日常生活自立度が低い者(日常生活自立度判定B以下),高度な認知機能の低下によって調査理解困難な者,重篤な合併症(3大合併症,それ以外)を有する者は除外した.介入方法としては対象者をSMBG実施群(以下,介入群:男性8名,女性4名:平均年齢66.1±12.4歳)とSMBG非実施群(以下,コントロール群:男性6名,女性2名:平均年齢58.9±14.3歳)にランダムに割り付け,運動療法後,SEに関するアンケート調査を自己記入式で行った.(使用機器:テルモ株式会社 メディセーフ)運動療法に関しては両群共に同プログラム(ストレッチ等の準備体操・整理体操と主運動:約40分)を実施した.主運動は快適な負荷での自転車エルゴメータとし,運動強度は自覚的運動強度(rating of perceived exertion;RPE)13レベルとした.身体機能に偏りがないように男女比,年齢,行動変容段階を2群間で比較した.SEの指標には,Marcusらが作成した「運動実施に対する自己効力感」の5項目(天気が良くない時,時間がある時,時間がない時,気分が乗らない時,疲れている時)を用い,運動する自信があるか否かを絶対出来るから(5点)絶対出来ない(1点)の5段階リッカート式尺度で尋ね,その合計(5~20点)で比較した.統計学的解析は介入群,コントロール群の2群間の比較に当たって,男女比の比較にはχ<sup>2</sup>検定,年齢の比較には対応のないt検定,SEの比較にはMann-WhitneyのU検定を用いた.いずれの検定も統計学的有意水準は5%未満とした.【説明と同意】 対象者には調査の趣旨を説明し,口頭での同意を得た.【結果】 対象者の属性(男女比,年齢差,行動変容段階)に偏りはなく,コントロール群より介入群の方がSEが得られている結果となり,雨(雪)が降っている時,時間にゆとりがある時,疲れている時,そして各項目の合計点で有意差が見られた.またSMBG後は「こんなに変化があるのか」等のコメントも見受けられ,納得した様子の反応もあった【考察】 当院では糖尿病教育患者は4回/日の血糖測定を実施しており,1日の中での血糖値の変化は知る事が出来るが運動療法の効果としての情報とはなっておらず,今回は運動療法の効果を血糖値の変化と言う視覚的な情報を追加し体感した為,理解が深まり活動性を維持・向上させる可能性が示唆された.SEとは「ある結果を生み出す為に必要な行動を,どの程度うまく行うことが出来るかと言う個人の確信の程度」を表すもので,行動変容を促す際に重要な視点となるとされている.努力すれば自分もここまで出来ると言う自信や意欲を高める為に,4つの情報源(達成体験,代理体験,言語的説得,生理的・情動的喚起)を通し生み出されるものであると考えられており,SMBGによって情報源の1つである生理的・情動的喚起に働きかけが出来た事が示唆された.生活習慣を望ましい方向に変容させる介入を行う際,より効果が得られる情報源を中心に取り入れ,積極的に働きかけを行う事が推奨されている.井澤らは,患者の主観的健康度・機能状態(健康関連QOL)の向上を目指した運動療法の方法論を構築していく際に,身体活動自己効力感に着目する事は重要な視点となるとしており,今後も継続して行きたいと考えている.しかしSEへの働きかけは退院後の活動性の向上が期待されるが,本研究の限界としてあくまでも短期的な効果であり,長期的な効果は未検討のままである.今後は,HbA1c等をパラメータに加え長期的な治療効果を検証する予定である.【理学療法学研究としての意義】 本研究にて運動療法前後のSMBGによってSEの改善が得られる事が明らかとなった.入院期間短縮の風潮もあり早期退院となり,退院後に活動性が消極的になる事が報告されているが,運動療法の意義の理解により活動性継続・向上が期待される.また生活習慣,行動変容の段階の変化にもSEが要因に挙げられており,それらの改善も期待される.