著者
中川 航太朗 井上 康之 Harin Hapuarachchi 杉本 麻樹 稲見 昌彦 北崎 充晃
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.341-351, 2022-12-28 (Released:2022-12-28)
参考文献数
45

We aimed to investigate whether illusory embodiment occurs in arms that stretch farther than usual arms in a virtual environment and how embodiment is acquired in different stretching methods. We realized three types of arm stretching methods: the hand extended ten times the actual movement (constant stretching), the hand extended in an accelerated manner (accelerated stretching), and the hand immediately extended to the target when the user fixed the eyes on the target and moved the hand towards the target (instant stretching). Then, we investigated sense of body ownership, sense of agency and task performance for those. We found that the illusory body ownership and sense of agency were higher in the order of constant stretching, accelerated stretching, and instant stretching. The learning effects on embodiment depended on the stretching method. Task performance was better in the order of constant, instant, and accelerated stretching. These results suggest that the illusory embodiment of the stretching arm and its learning depend on the type of stretching.
著者
堀田 裕子 松崎 那奈子 萩原 孝泰 井上 康子 小川 博
出版者
日本霊長類学会
雑誌
霊長類研究 Supplement
巻号頁・発行日
vol.33, pp.64, 2017

<p>スマトラオランウータンはIUCN(国際自然保護連合)のレッドリストで絶滅危惧ⅠA類に指定される希少動物である。また,国内個体数が少ないことから,種の保存のために動物園で計画的に飼育下繁殖を進めていくことは重要である。そのために園間同士での個体の移動は必要なことである。一方で,動物の輸送には身体的および精神的ストレスが伴う。動物はストレス因子が極度の場合生理学的機能が激しく損なわれ死亡することがある。コルチゾールはストレスの指標となりうるホルモンであることから,尿を用いて非侵襲的にそれを測定した。昨年スマトラオランウータンの園内での新獣舎への移動,および園間またいでの移動が行われた。この際のストレスについて検証すべく,スマトラオランウータン雌1頭雄1頭を対象として,尿中コルチゾール濃度をEIA法を用いて測定し,その動態を追った。またそれと同時に行動観察を行い,行動と生理の面からそのストレスについて調べた。雌雄また園内と園間それぞれ,コルチゾール濃度および行動に変化がみられた。その結果からストレス要因およびストレス軽減要因について考察し報告する。</p>
著者
井元 貴樹 井上 康介
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会学術講演会講演論文集 2016年度精密工学会秋季大会
巻号頁・発行日
pp.349-350, 2016-08-20 (Released:2017-02-20)

本研究の目的は,ヘビの筋骨格系を詳細にモデル化した動力学シミュレータを用いた構成論的手法により,ヘビの環境適応運動を理解することである.本報告では,実際のヘビの3次元運動と筋電位を同時計測した動物実験の結果をシミュレーションモデルに実装し,解析を行った結果について報告する.
著者
佐藤 恵美 渡邉 季誠 井上 康介
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会学術講演会講演論文集 2016年度精密工学会秋季大会
巻号頁・発行日
pp.345-346, 2016-08-20 (Released:2017-02-20)

ヤスデは多数の歩肢の調和的運動により適応的な歩行を見せ,その長い胴体各部において異なる運動パターンを見せる.その背後にある自律分散的な歩行パターン調節メカニズムを明らかにするため,分離トレッドミル上でのヤスデの固定という新しい方法による実験と,それに基づくシミュレーションベースの構成論的調査を行った.本報告ではそれらの結果を報告する.考えヤスデの速度を一定に保ちながら実験できる器具の開発を行った.
著者
仲川 晃生 井上 康宏 越智 直 田谷 有紀 植松 芳彦
出版者
関東東山病害虫研究会
雑誌
関東東山病害虫研究会報 (ISSN:13471899)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.61, pp.31-34, 2014-12-01 (Released:2015-12-25)
参考文献数
5

農薬に頼らない防除技術の開発を目的に,納豆のジャガイモそうか病に対する種いも伝染防除効果について調べた。納豆調製液は,2010年春作では300g の市販納豆粒を2L の水に入れて撹拌した懸濁液 (300g/2L 区) を用い,2010年秋作以降の試験で300g および450g の市販納豆を摩砕して5L に加水した摩砕液 (300g/5L区および450g/5L区) を用いた。これらの調製液に種いもを瞬間浸漬後,予めクロルピクリンくん蒸剤で土壌消毒を行った圃場に植え付け,消毒効果を調べた。この結果,発病度から見た防除価は,対照薬剤 (ストレプトマイシン・オキシテトラサイクリン水和剤,40倍希釈) 区で36.1~90.2を示すなかで,300g/2L理区で47.3~47.6,300g/5L 処理区で19.6 ~ 79.6および450g/ 5L 処理区で35.3 ~ 92.1の値を示した。また,発病塊茎率か ら見た防除価も同様な結果を示すなど,納豆調製液は何れの濃度とも対照薬剤に比べて劣るものの,無処理区に比べて高い防除価を示した。
著者
井上 康博 船山 典子 近藤 滋 新美 輝幸 大澤 志津江 小沼 健 秋山 正和 山崎 慎太郎 田尻 怜子 後藤 寛貴
出版者
京都大学
雑誌
学術変革領域研究(A)
巻号頁・発行日
2020-11-19

細胞は、素材によって工法を選び、組み立てることで「体」を建築する。本領域では、この素材の加工という新しいパラダイムを提示することで、後期発生以降の形態形成の原理に挑む。このパラダイムは「工業」そのものであるため、工業デザイン技術の生物への応用と、生物で得られた知見の産業応用が期待できる。この目的のために、総括班は、様々な分野の実験系と理論系の融合推進、異分野からの若手研究者の参入支援など、領域推進の司令塔としての機能を担う。
著者
山﨑 喬輔 井上 康之 MHD Yamen Saraiji 加藤 史洋 舘 暲
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.119-127, 2018 (Released:2018-09-30)
参考文献数
12
被引用文献数
1

Although previous researches have shown that our spatial understanding is determined by the multiple sensory information such as vision and touch, how the effect of visuo-tactile integration works on the sense of body ownership, agency and self-localization has been unrevealed. In this study, we built a telexistence system to investigate the effect of combined visual and tactile information by allowing the participants to see their own back via surrogate robot, while applying stimuli on their hand and back synchronously. The participants' answers on questionnaires revealed that they experienced reality in the position of robot in a remote location, rather than their own bodies, through the experiment. This result provided evidence for the efficient enhancement of visuo-tactile integration on self-localization, body ownership, and the sense of agency in a telexistence settings.
著者
井上 康昭 岡部 俊
出版者
北海道農業試験場
雑誌
北海道農業試験場研究報告 (ISSN:03675955)
巻号頁・発行日
no.143, pp.p149-157, 1985-03

単交配一代雑種品種への急速な移行に伴い,その親である自殖系統の効率的育成方法の確立が待たれている。本研究は,単交配一代雑種品種の採種性向上のために,自殖の早期世代での打ち切りの可能性と集団改良の効果について調べるために実施された。日本在来自然受粉品種「塩ノ岐-1」,中国複交配一代雑種品種「双跃808号」,米国合成品種「BS5」,及び米国合成品種で改良集団である「BS13」の四つの起源集団を用いて自殖を開始し,それぞれの起源集団のS0からS4~S6までについて,1系統当たり5個体の稈長を測定し,系統平均値,系統平均値間分散及び系統内分散を算出した。それによって,系統平均値間分散と系統内分散の相対的大きさ,及び基準に用いた高次の自殖系統内分散に対する供試系統内分散の比について,自殖世代による推移を調べ,整一性の面から自殖打ち切り可能世代を検討した。更に,集団改良の効果を調べるため,自殖弱勢の自殖世代による推移について起源集団による違いを比較検討した。得られた結果は次のとおりである。(1)系統平均値間分散と系統内分散の比は,S1で2.79~8.88,S2で7.68~13.12,S3以降更に増大した。また,系統内分散はS2においてすでに統計的に有意ではなかった。このことから,S2以降の系統内選抜の効果は非常に小さいことが推測された。(2)供試系統の系統内分散を基準の高次の自殖系統内分散と比較した場合,S2で1.6,S3で1.1,S4以降は1.0以下であった。このことから,整一性の面で,S3においてすでに高次の自殖系統とほとんど差がないことがわかった。(3)自殖弱勢の程度は,より改良が進んでいる集団ほど小さい傾向がみられ,S4のS0に対する比率は自殖弱勢の最も大きい「双跃808号」で63%,最も小さい「BS13」で76%であった。(4)S1における自殖弱勢の程度によって,全体の自殖弱勢の程度を推測することは可能でなかった。以上のことから結論として,単交配一代雑種のための親系統として,少なくともS3系統を利用することは実用上問題がなく,これによって採種性を高めることができ,さらに育種の回転を早めることが可能であると考えられた。また,集団改良によって優良な遺伝子を集積することにより自殖弱勢を小さくすることが可能であり,これによってもまた採種性を向上させることができると考えられた。
著者
井上 康宏 中保 一浩
出版者
国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構
雑誌
農研機構研究報告 中央農業研究センター = Bulletin of the NARO, Agricultural Research for Central Region (ISSN:24328057)
巻号頁・発行日
no.7, pp.1-10, 2019-03-29

各種土壌消毒がどの程度の深さまで青枯病菌に対する殺菌効果を持つか調査を行った.クロルピクリンおよびダゾメットによる化学くん蒸では地下40㎝まで青枯病菌を殺菌したが,地下60 ㎝では効果が見られなかった.米ぬかを用いた還元消毒でも深い部分の青枯病菌に対する殺菌効果は低かった.一方で糖蜜やエタノールを用いた還元消毒では地下60 ㎝まで青枯病菌に対する高い殺菌効果が認められた.クロピクフローでは低温期の処理でも地下60㎝まで青枯病菌に対する殺菌効果が認められたが,深い部分ほど消毒効果が弱かった.どの消毒方法を採用するかは,土壌の汚染程度と共に,作型や経済性を考慮する必要がある.
著者
出口 達也 岡井 理香 金野 潤 渡辺 涼子 井上 康生 増地 克之 田村 昌大 石井 孝法
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.69, pp.109_1, 2018

<p> 全日本柔道連盟では、平成29年度日本スポーツ振興センター「アスリートパスウェイの戦略的支援事業」において、平成29年全国中学校柔道大会優勝選手と指導者計13名に対して国際大会を利用した研修を実施し、事前事後調査および2か月度に実施したフォローアップ調査からその成果と課題について検証した。</p><p> 本研修は平成29年12月1日~4日までの3泊4日間の日程で実施し、グランドスラム東京国際大会および国際合宿の視察を行い、日本スポーツ振興センターによる目標設定プログラムを実施した。</p><p> その結果、「計画」、「実行」、「評価」、「改善」の各項目について、選手自身の自己評価では「計画」の1項目、指導者による選手の評価においては「改善」の4項目計が有意に向上した。また、研修で実施した各教育プログラムの内容が研修2か月後も「大いに活用できている」もしくは「活用できている」との回答が得られた。</p><p> 本学会では、研修内容と質問紙調査結果の詳細を報告するとともに、PDCAサイクルの習慣化に着目し、中学生アスリートがハイパフォーマンスを実現するための教育プログラムについて提案する。</p>
著者
近藤 滋 芳賀 永 秋山 正和 松本 健郎 上野 直人 松野 健治 武田 洋幸 井上 康博 大澤 志津江
出版者
大阪大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2015-06-29

28年度の総括班では、既に、班としてのシステムの構築がほぼ終わっているために、既存の共有装置の維持管理が主なものになる。2機の3Dプリンターは、全班員の研究に有効に使用されている。28年度に、総括班費で購入した機器は、顕微鏡用の共焦点レーザーユニット(北海道大学:999万円)と、ズーム顕微鏡(基礎生物学研究所:299万円、原子間力顕微鏡の一部として購入)である。いずれも、他の資金で購入したパーツと組み合わせることで、購入金額の節約をしている。両装置とも、3D形態の計測に必須であり、共同利用が進んでいる。班会議は北大で、5月23,24日に行った。理論系と実験系の交流を目的とする夏、冬の合宿は、9月4,5,6日と、3月28、29日に、淡路島、琵琶湖で行った。いずれも、学生の旅費の補助を総括班費から支出している。これまで、合宿は主に比較的少人数で行ってきたが、2016年度は、公募班員からの希望が多かったために、冬の合宿では会場を変えた。非常に活発な議論が行われたが、参加者が多くなりすぎたため、プロジェクトごとの議論の時間が逆に短くなり、やや、食いたりない面もあった。この点の解消が、今後の課題として残された。北海道大学の秋山は、定期的に、数学と3Dソフトの講習会を行っており、そのための実費(交通費、宿泊費)の支援を行った。その他、HPの更新に約30万円を支出している。