著者
田宮 康臣 青柳 昌宏
出版者
Yamashina Institute for Ornitology
雑誌
山階鳥類研究所研究報告 (ISSN:00440183)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.35-44, 1982-03-31 (Released:2008-11-10)
参考文献数
8
被引用文献数
1 1

アデリーペンギンの非繁殖個体が,育雛期後半にルッカリーに再上陸し,放棄巣や未利用巣で模擬営巣することは従来より知られていたが,その意義についてはほとんど報告されていない。1968-69年のバード岬ルッカリーでの観察で,繁殖の成功に意義があると認められる彼等の行動結果を得たので報告する。この結果から,再上陸は繁殖にとって適応的であると共に,彼等のクレイシシステムはより多くの雛を巣立たせるために役立っていると考えられる。
著者
田宮 康臣 青柳 昌宏
出版者
The Ornithological Society of Japan
雑誌
(ISSN:00409480)
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.163-164, 1982-03-25 (Released:2007-09-28)
参考文献数
1

筆者らは南極ロス島バード岬のアデリーペンギン北ルッカリーにおいて,ナンキョクオオトウゾクカモメが,ペンギンの巣からいったん奪い,放棄した生卵を1個採集する機会に恵まれた.そこでこの生卵をルッカリーの中に営巣する一番いのナンキョクオオトウゾクカモメの巣中に入れ,抱卵させる実験を試みた.ナンキョクオオトウゾクカモメはアデリーペンギンの卵を継続して抱卵し,20日後に孵化させた.孵化したアデリーペンギンのひなは,ナンキョクオオトウゾクカモメによってガードされたが,餌を与えられることには成功せず,数日でおそらく飢えのため死亡した.これは,親とひなとの間で給餌行動のパターンが一致せず,また餌の種類や給餌様式もまったく違っているためと考えられる.
著者
田宮 康臣 青柳 昌宏
出版者
日本鳥学会
雑誌
(ISSN:00409480)
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.163-164, 1982

筆者らは南極ロス島バード岬のアデリーペンギン北ルッカリーにおいて,ナンキョクオオトウゾクカモメが,ペンギンの巣からいったん奪い,放棄した生卵を1個採集する機会に恵まれた.そこでこの生卵をルッカリーの中に営巣する一番いのナンキョクオオトウゾクカモメの巣中に入れ,抱卵させる実験を試みた.ナンキョクオオトウゾクカモメはアデリーペンギンの卵を継続して抱卵し,20日後に孵化させた.孵化したアデリーペンギンのひなは,ナンキョクオオトウゾクカモメによってガードされたが,餌を与えられることには成功せず,数日でおそらく飢えのため死亡した.これは,親とひなとの間で給餌行動のパターンが一致せず,また餌の種類や給餌様式もまったく違っているためと考えられる.
著者
田宮 康臣 青柳 昌宏
出版者
Yamashina Institute for Ornitology
雑誌
山階鳥類研究所研究報告 (ISSN:00440183)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.35-44, 1982
被引用文献数
1

アデリーペンギンの非繁殖個体が,育雛期後半にルッカリーに再上陸し,放棄巣や未利用巣で模擬営巣することは従来より知られていたが,その意義についてはほとんど報告されていない。1968-69年のバード岬ルッカリーでの観察で,繁殖の成功に意義があると認められる彼等の行動結果を得たので報告する。この結果から,再上陸は繁殖にとって適応的であると共に,彼等のクレイシシステムはより多くの雛を巣立たせるために役立っていると考えられる。
著者
青柳 昌宏 田宮 康臣
出版者
国立極地研究所
雑誌
南極資料 (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
vol.80, pp.39-46, 1983-12

クレイシ中期にアデリーペンギンの給餌行動を, 24時間連続観察し, 以下の4点についてまとめた。1) 雛が給餌される頻度, 2) 給餌のため, 親鳥がコロニーに帰る頻度, 3) 雛が出てしまった空巣を含むなわばりの識別と利用, 4) 雛の生存率と育雛行動の雛数によるちがい。