- 著者
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増永 慎一郎
永澤 秀子
田野 恵三
- 出版者
- 京都大学
- 雑誌
- 基盤研究(B)
- 巻号頁・発行日
- 2011-11-18
遠隔転移能と、休止期腫瘍細胞の殺細胞効果も加味した腫瘍制御効果を同時に評価するアッセイ系を確立し、腫瘍内急性低酸素を解除する処置が腫瘍からの肺転移を抑え、中性子捕捉療法では、慢性低酸素の大きな休止期腫瘍細胞に分布できるBSHを用いると局所腫瘍制御が向上し、急性低酸素細胞に分布可能なBPAを用いると遠隔転移能が抑制される事が判明した。酸素化休止期腫瘍細胞の感受性を検出可能な手法も確立し、休止性と高いDNA損傷からの回復能の点で癌幹細胞との共通性が認められた。腫瘍内不均一性に依存して分布するBPAのCBE値は変化しやすく、この値が腫瘍の不均一性の評価のための有望な指標になり得る事も判明した。