著者
畔津 忠博 上田 千晶 末竹 規哲 内野 英治
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.68, no.11, pp.J482-J487, 2014 (Released:2014-10-24)
参考文献数
15
被引用文献数
2 2

人間の視覚は色相の変化に敏感であるため,カラー画像の強調処理を行った場合,色相が保持されることが望ましい.色相を直接的に扱うためにはHSI色空間やCIELAB色空間等を利用する方法が考えられるが,工学的にカラー画像はRGB色空間やCMY色空間で取り扱われることが多いため,画像処理もこれらの空間内で行えると便利である.NaikらはRGB色空間での色相保存の条件を示し,これを用いた画像強調の方法を提案している.しかしながら,この方法には彩度が低下する問題があるため,この問題点を修正する方法が幾つか提案されている.本論文では,RGB色空間において色相を保持したまま彩度を調整するための一方法を提案する.提案手法では,井上らによって提案された彩度最大化の方法にガンマ補正を導入することで所望の彩度を得ることを試みる.実験結果により,ガンマ値を変更することで彩度が適切に調整できることを確認した.
著者
吉永 敦征 畔津 忠博
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:21888930)
巻号頁・発行日
vol.2019-CE-152, no.8, pp.1-5, 2019-11-08

本論文ではアンケート結果に基づき,大学初年次生が獲得している情報リテラシーとパソコン (PC) の使用開始時期との関係について報告する.情報リテラシーが獲得できているかどうかの指標として,PC の入力に関する主観的評価を採用した.この指標に基づいて学生を情報リテラシーの高いグループと低いグループに分けて,それぞれのグループに属する学生の特徴を調べた.その結果,特に小学生のときに家庭で PC の使用を始めた学生は,情報リテラシーの指標が高い傾向にあった.このことから,情報リテラシーは家庭環境に依存する文化資本であり,その獲得においては PC 等の情報端末を利用する時期が重要であることが示唆される.また,情報リテラシーの指標が高い学生は,一般に良く利用される PC のアプリケーションの利用率が高かった.その一方で,小学生のときに自宅で PC に触れていない学生であったとしても,情報リテラシーの指標が高い学生が一部存在しており,学校教育が有効である可能性も存在している.