- 著者
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吉永 敦征
畔津 忠博
- 雑誌
- 研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:21888930)
- 巻号頁・発行日
- vol.2019-CE-152, no.8, pp.1-5, 2019-11-08
本論文ではアンケート結果に基づき,大学初年次生が獲得している情報リテラシーとパソコン (PC) の使用開始時期との関係について報告する.情報リテラシーが獲得できているかどうかの指標として,PC の入力に関する主観的評価を採用した.この指標に基づいて学生を情報リテラシーの高いグループと低いグループに分けて,それぞれのグループに属する学生の特徴を調べた.その結果,特に小学生のときに家庭で PC の使用を始めた学生は,情報リテラシーの指標が高い傾向にあった.このことから,情報リテラシーは家庭環境に依存する文化資本であり,その獲得においては PC 等の情報端末を利用する時期が重要であることが示唆される.また,情報リテラシーの指標が高い学生は,一般に良く利用される PC のアプリケーションの利用率が高かった.その一方で,小学生のときに自宅で PC に触れていない学生であったとしても,情報リテラシーの指標が高い学生が一部存在しており,学校教育が有効である可能性も存在している.