著者
高 興和 古屋 正貴 畠 健一
出版者
宝石学会(日本)
雑誌
宝石学会(日本)講演会要旨
巻号頁・発行日
vol.37, 2015

紫色の美しい花、ジャマランカが咲き誇るタンザニアの大地の地下1000メートルに美しい紫味を帯びたタンザナイトが眠っている。ジャマランカの花言葉は「栄光」と「名誉」。1960年後半に発見されたタンザニアを代表する新しい宝石タンザナイトにいまだ正式な宝石言葉はない。20世紀を代表する宝石の1つになったタンザナイトの宝石言葉に、「栄光」と「名誉」を贈りたい。タンザナイトの命名通り、現在タンザナイトはタンザニアのみ産出し、詳しくはアルーシャ地方のメラニヒルズのみが確認されている。1971年タンザニア政府によりメラニヒルズ鉱山は一旦国有化されたが、1990年、政府系、民間系の4つのブロックに分けられ、現在各ブロックごとに採掘が稼働している。<br> Aブロック) 政府系 Kirimanjaro Mines Limited<br> Bブロック) 民間系 小規模業者 オーナー数約200名<br> Cブロック) 政府系 Tanzanait one<br> Dブロック) 民間系 オーナー数 約300名<br> 今回、BブロックのELISARIA MSUYA MAININNG社の協力のもと地下500メートルの採掘現場より入手した原石を中心に研磨、インクルージョン観察、その後、3時間ずつ、100&deg;C、200&deg;C、300&deg;C、350&deg;C、400&deg;C、450&deg;C、500&deg;Cの加熱処理を実施、分光スペクトルの処理前、処理後の検査結果を得た。今回の現地調査の目的は、通常低温加熱されているタンザナイトについて、確かなサンプル原石を入手すること。そして、今回はBブロックに絞り、品質をジェム・クオリティ、ジュエリー・クオリティ、アクセサリー・クオリティの3段階に分け、出現率を調査することである。宝石の価格相場は宝石の品質を評価し、その出現率と需要で決まる。<br> 今回、タンザナイトのBブロックに絞り込み、鉱山の現地調査を実施。その原産地状況を報告する。
著者
上根 学 チャンドラー ラビ 古屋 正貴 畠 健一
出版者
宝石学会(日本)
雑誌
宝石学会(日本)講演会要旨
巻号頁・発行日
vol.36, 2014

英国のウイリアム王子からケイト妃に贈られた婚約指輪は,ブルー・サファイアである.ウイリアム王子の母であり,世紀のロイヤリティ・ウエディングといわれたダイアナ妃の左手に輝いていたものと同じブルー・サファイアである.このブルー・サファイアはスリランカのラトゥナプラ産であり,ラトゥナプラの宝石商からかつてエリザベス女王に献上されたものであった.2011年.スリランカのカタラガマで良質でしかも大粒のブルー・サファイアが産出されたことは記憶に新しい.今回,スリランカにおける良質なブルー・サファイアを産出する代表的な4つの鉱山,サバラガムワ県のラトゥナプラ,パルマドゥッラ,そしてウーバ県のオッカンベディア,新鉱区であるカタラガマを現地調査した.<br>各地区の鉱山数は現在,ラトゥナプラで約3000箇所,パルマドゥッラで約300箇所,オッカンベディアで50~60箇所,そして新鉱区となったカタラガマは10~20箇所で採掘されている.サンプル石の産地確認を徹底するために各鉱区の鉱山から直接原石を入手し,研磨,インクルージョン観察を試みた.更にFTIRにより,Fe,Ti,Ga,Crの成分分析,蛍光X分析を試みた.今回の現地調査の目的は,加熱処理,Be加熱処理が横行する中,確かなサンプル検査石を入手すること,そして各鉱区の品質をジェム・クオリティー,ジュエリー&bull;クオリティー,アクセサリー・クオリティーの3段階に分けそれぞれ3クオリティーのブルー・サファイアの出現率を調査することにあった.宝石の価格相場は,宝石の品質を評価し,その品質の出現率と需要できまる.今回,スリランカ産ブルー・サファイアの新鉱山を含む4鉱区を調査実施したので,その原産地状況を報告する.
著者
大江 昌子 武 聖子 山内 常代 畠 健一
出版者
宝石学会(日本)
雑誌
宝石学会(日本)講演会要旨
巻号頁・発行日
vol.37, 2015

宝石市場は高額なハイジュエリー、一般的なジュエリー、ファッション性を重視したジュエリー、そしてお守り的な色彩を強く打ち出したパワーストーンが市場を賑わしている。<br> ジュエリー市場はステータス性、資産性、ファッション性、そして信仰的なお守りとしてのジュエリーが混とんとした状態の中にある。<br> 一方、世界視野に立ち、日本の宝石市場を見た時、日本の宝石市場は黎明期、発展期を経て、まさに成熟期を迎えている。<br> 一番に成熟期を迎えたのはヨーロッパ、そしてアメリカ、東洋では日本が最初である。世界の宝石を集めた日本は、鑑別技術を著しく向上し、鑑別技術についてはトップレベルにある。<br> しかし、残念乍ら、日本における宝飾文化の研究、そして普及は、ヨーロッパ、アメリカに遠く及ばない。<br> 日本の宝飾市場において、確かな宝飾文化の普及は、成熟期を迎えた今、大切な課題である。<br> ハイジュエリー、ジュエリー、ジュエリーアクセサリー、パワーストーンはすべて大地、地球の美しい創造物である。違いは一つ、品質の良し悪しによる商品価値の違いである。背景にある歴史的な宝の石、宝石の存在価値は同じである。<br> 歴史の流れとともに時代が求めるニーズとして、宝石はお守り、信仰、ステータス、財産、おしゃれそしてパワーストーンとして身を飾ってきた。しかし、精神文化における宝石の本質はお守りである。お守りとしての歴史の変遷を年表としてまとめたので報告する。
著者
立畠 健一 植田 好雄 劉 棟博 藤井 文武
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.83, no.852, pp.16-00462-16-00462, 2017 (Released:2017-08-25)
参考文献数
15
被引用文献数
1

This paper discloses the development of the improved Bouc-Wen model which captures the behavior of the rate dependent hysteresis of a piezoelectric actuator. The basic form of the Bouc-Wen model only exhibits symmetric hysteresis loop for a sinusoidal input with no DC offset, whereas the real world bi-morph type actuator occasionally exhibits asymmetric loop for the same stimuli. The present works also proposes the integration of the FIR filter to the model to capture phase lag caused by the structural oscillation of the actuator. Comparison of the modeling accuracy has been given with our recent work of adaptive Preisach model. The result shows that accuracy of the two models are almost the same but the intrinsic difference lies in the number of parameters to be determined to form a computable model: the proposed model has only 25 parameters whereas the adaptive Preisach model includes 5050 discretized distribution function values to establish a single model.