著者
高橋 砂織 渡辺 隆幸 畠 恵司
出版者
秋田県総合食品研究センター
雑誌
秋田県総合食品研究センター報告 (ISSN:21856699)
巻号頁・発行日
no.16, pp.1-16,図巻頭1枚, 2014

秋田県では大豆や小豆の栽培が盛んである。その中で秋田県の在来種である「てんこ小豆」は、秋田市雄和地区で古くから栽培され同地区や秋田県内で小豆の代わりに赤飯に多用されている。てんこ小豆は、黒ささげの秋田での名称であり、小粒で黒大豆様の形態をしている。てんこ小豆で作った赤飯は、小豆の赤飯に比べはるかに濃い赤褐色の着色があり、且つ風味が豊である。てんこ小豆は生産量が少ないこと、単価が高いことなどからその消費は伸び悩んでいる。また、てんこ小豆の機能性に関する研究は皆無である。そこで本研究では、血圧調節系として最も解析が進んでいるレニン・アンギオテンシン系(RAS)に注目して、RASの重要な構成要素であるレニン、アンギオテンシン変換酵素(ACE)やキマーゼを標的酵素として、てんこ小豆抽出液の阻害活性について検討した。さらに、培養細胞系を駆使して脂質代謝改善効果作用も併せて検討することで、てんこ小豆の機能性素材としての可能性を探った。てんこ小豆の機能性が明らかになることで、秋田県内での作付け拡大と消費拡大が期待される。
著者
橋爪 千恵 大友 理宣 高倉 はるか 高嶋 亜希子 畠 恵司
出版者
日本ペット栄養学会
雑誌
ペット栄養学会誌 (ISSN:13443763)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.72-79, 2012-10-10 (Released:2013-01-25)
参考文献数
14

米糠発酵粉末は、米糠を植物性乳酸菌により乳酸発酵させて作出したものである。これまでにラットに継続的に経口投与した結果、米糠発酵粉末には内臓脂肪重量および血中中性脂肪値の減少作用が認められることが明らかになっている。本研究では、年齢、性別、体重の異なる様々な犬種の家庭犬を対象として、イヌそれぞれの体重に従った量の米糠発酵粉末をサプリメントとして8週間継続的に摂取させ、その変化を飼い主へのアンケート形式により調査した。投与開始直前、投与2、4、6および8週間後における腹囲と体重の計測、行動学的変化、生理学的変化、およびサプリメントの印象に関するアンケート設問の回答を集積し、解析に用いた。サプリメントを8週間継続投与できた個体はモニター全体の81.5%であった。個体の腹囲および体重の変動率を比較したところ、開始前に比べ4週間後、6週間後、および8週間後において、腹囲が有意に減少した。また、8週間後のサプリメントの嗜好性についてのアンケート設問では、「ほかのおやつやフードより好んで口にした」あるいは「ほかのおやつやフードと同等の嗜好性が見られた」とした回答が、モニター全体の70.4%となっていた。これらのことから、本サプリメントには継続投与によって腹囲の減少効果が認められ、補助栄養食でありながら、その嗜好性はイヌのおやつやフードとして許容される高さを持つと思われた。
著者
岡本 芳晴 畠 恵司 荻原 喜久美 南 三郎 柄 武志
出版者
鳥取大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

今回の研究により、細胞レベルでのルパン型トリテルペン(ルペオール)のメラノーマ分化誘導の機序を解明することができた。また遺伝子解析により、細胞周期に影響を及ぼすことも判明した。マウスを用いたin vivo実験より、ルペオールを腫瘍局所あるいは全身に投与することにより、メラノーマの増殖を抑制することが明らかとなった。さらに犬の自然発症例メラノーマに対しても十分有効なことが示された。