- 著者
 
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             長田 枝利香
             
             三谷 麻里絵
             
             江原 和美
             
             本田 尭
             
             荒木 耕生
             
             後藤 正之
             
             楢林 敦
             
             津村 由紀
             
             安藏 慎
             
             番場 正博
             
          
 
          
          
          - 出版者
 
          - 金原出版
 
          
          
          
          - 巻号頁・発行日
 
          - pp.405-408, 2016-04-01 
 
          
          
          
        
        
        
        症例は5歳女児で、26日前にインフルエンザワクチン2回目を接種、14日前に日本脳炎ワクチンを追加接種した。右下腿前面に紫斑が出現し、翌日は左下腿前面と体幹に紫斑が拡大した。血液検査で血小板数は6000/μLと減少、他の2血球系は正常値であった。凝固系に異常はなかった。PaIgGは軽度上昇を認めた。骨髄像は正形成、巨核球数・赤芽球・顆粒球の数と形態は正常であった。血小板数は、翌日には2000/μLまで低下を認め、はじめて口腔粘膜出血を認めた。免疫性血小板減少症(ITP)の診断で、大量免疫グロブリンを投与した。血小板数は速やかに改善を認め、粘膜出血と紫斑の消失を確認した。その後も重篤な出血症状の合併はなく、入院9日目に退院した。退院後、外来で通院し、半年後の血小板数は17万/μLを維持している。