著者
村尾 忠廣 疇地 希美
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1998, no.74, pp.31-38, 1998-08-07
参考文献数
9
被引用文献数
3

本研究では次の3点について明らかにする。1)60?90年代の日本のポピュラーソングのリズムを日本語の音数律にしたがって統計分析し、年代ごとのパターンの特徴を示すこと。分析の中心は3文字文節が拍節的にどう処理されてきたかという問題で、これは小泉文夫によってすでに提起されていたが、今回あらたに変形2(詰め込み型)を設けて分析、このパターンが90年代の特徴という結論をえた。2)90年代のもう一つの特徴は弱化モーラのシラブル化が外国語のような日本語の歌をつくりだしたことだといわれる。しかし、1音多文字のシラブル的な歌はすでに大正年代の歌にもみられることであり、そのこと自体は中高年世代にとっても難しいことではない。問題は、変形詰め込み型とシラブル化が同時におこり、それによって「配字シンコペーション」がおこってきたことである。そのパターンの頻度を調査すること。3)そうした分析結果ともとに、理論的に90年代の「配字シンコペーション」を作り出し、中高年世代がこれをどう歌うか実験をこころみることである。In this study, we elucidate why the Japanese senior can not sing the pop songs in 90's in terms of syncopated patterns originated by weakened mora. We analyzed and demonstrated the following points. 1) Congruent points between metric accent and the closure points of three mora patterns. 2) Syncopated pattern originated by weakened mora. 3) Composing the typical 90's pop song melody based on the theoretical idea presented above.
著者
村尾忠廣 疇地希美
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.1999, no.51(1999-MUS-030), pp.21-26, 1999-05-29

小泉文夫は日本の伝統音楽には基本的にアウフタクトが存在しないと述べた。旋律の開始が弱拍の一部から強拍にグループされない、という意味である。これは、アウフタクトをつくる言語的要因、すなわち、冠詞や前置詞がなく、強弱アクセントをも有しないという日本語の特質に基づいている。それゆえ、日本の大衆音楽にもアウフタクトはもともと少なかった。しかし、60年代後半から70年代の日本の大衆音楽にはアウフタクトのものが急速に増えている。強弱、上下拍意識が薄く、さらに前置詞、冠詞をもたないという日本語の特徴を残したままにアウフタクト(上拍)の歌謡曲が発展を始めたのである。本論は、 3モーラ音節から始まる歌謡曲を一つの切り口としてアフタクト歌謡曲の統計的分析を行い、その年代的な特徴を質的に構造分析したものである。
著者
村尾 忠廣 疇地 希美
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.1998, no.74(1998-MUS-026), pp.31-38, 1998-08-07

本研究では次の3点について明らかにする。1)60?90年代の日本のポピュラーソングのリズムを日本語の音数律にしたがって統計分析し、年代ごとのパターンの特徴を示すこと。分析の中心は3文字文節が拍節的にどう処理されてきたかという問題で、これは小泉文夫によってすでに提起されていたが、今回あらたに変形2(詰め込み型)を設けて分析、このパターンが90年代の特徴という結論をえた。2)90年代のもう一つの特徴は弱化モーラのシラブル化が外国語のような日本語の歌をつくりだしたことだといわれる。しかし、1音多文字のシラブル的な歌はすでに大正年代の歌にもみられることであり、そのこと自体は中高年世代にとっても難しいことではない。問題は、変形詰め込み型とシラブル化が同時におこり、それによって「配字シンコペーション」がおこってきたことである。そのパターンの頻度を調査すること。3)そうした分析結果ともとに、理論的に90年代の「配字シンコペーション」を作り出し、中高年世代がこれをどう歌うか実験をこころみることである。
著者
疇地 希美
出版者
日本音楽教育学会
雑誌
音楽教育実践ジャーナル (ISSN:18809901)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.25-31, 2007 (Released:2018-04-11)
参考文献数
6
被引用文献数
1