著者
白石 光昭 森 典彦 杉山 和雄
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
no.95, pp.9-16, 1993-01-10

オフィスの評価は視覚的要因・環境工学的要因・使い勝手要因の3つが考えられる。これまで環境工学的・使い勝手要因からの評価は多く行われているが,実験・調査が多く手間と時間がかかる。これに対し,視覚的要因はオフィスの第一印象に大きく影響するにもかかわらず,評価方法や評価はまとめられていない。オフィスプランナーは長年の経験から,実験・調査を行わなくても,的確にオフィスの問題点を指摘できる。そこで,彼らの知識をまとめることで,1つの評価法を提案している。知識をまとめる方法としてFTAを応用する。また,視覚,つまり,見た目の評価にはあいまいさが含まれるのでファジイ集合をとりいれている。オフィスを見た目に悪くする要因を95項目抽出し,これらをFTAにそった分析を行うことで,構造的に,かつ,項目に対する主観的な評価を定量的に,把握することが可能になった。
著者
白石 光昭 杉山 和雄
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.117-124, 2002-05-31

情報技術の進歩により,ワークスタイルが徐々に変化し,それに応じてオフィス形態も変化し始めている。しかし,業務を遂行していくためにはワーカー同士のコミュニケーションは基本である。本研究では,これまで設計者の経験あるいはユーザーの一方的な要求で設定されてきた,コミュニケーションを行う場所である会議室数の算定に待ち行列理論を応用した算定法を提案しようとするものである。まず応用するための基本事項を整理し,それをもとに実際のオフィスにおいて使用状況(会議開始時間,会議時間,会議への参加人数)を調べ,待ち行列の理論式を応用できることを確認した。次に算定の目安として,「会議室が塞がっている確率」を提案している。また,ワーカーの会議室数への不満を調べ,「会議室が塞がっている確率」との関係を調べた。以上から,現在の会議室の使用状況をもとに「会議室が塞がっている確率」を求めることで,ユーザーに提案するための会議室数の目安を得ることが可能となった。