著者
白石 智子 関口 和正 大森 毅
出版者
日本法科学技術学会
雑誌
日本鑑識科学技術学会誌 (ISSN:13428713)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.159-165, 2003 (Released:2009-04-11)
参考文献数
16
被引用文献数
5 5

‘OC-Hemocatch’, an immunochromatographic test for the detection of fecal occult blood was evaluated for the forensic identification of human blood. ‘OC-Hemocatch’ showed positive results for human blood to a dilution of 1:500,000 and provides the strongest detection line for a dilution of 1:20,000. On the other hand, the human blood diluted to 1:100 was negative for ‘OC-Hemocatch’ because of the high dose hook effect. While heating at over 150°C, long term exposing to sunlight, washing and bleaching of bloodstains prevented the detecting of human hemoglobin using ‘OC-Hemocatch’, contamination of blood with various body fluids did not affect it. Furthermore, ‘OC-Hemocatch’ detected human hemoglobin from old bloodstains stored for 15 years at room temperature when 5% ammonia was used for extraction. These results demonstrate that ‘OC-Hemocatch’ can be effectively applied to forensic identification of human blood.
著者
白石 智子
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.252-262, 2005-06-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
34
被引用文献数
17 10

本研究では, 大学生の抑うつ傾向への対処的・予防的取り組みとして認知療法を基にした心理的介入プログラムを実践し, その評価を行った。研究1では, 大学生126名を対象に, 本プログラムの抑うつ感軽減効果及び抑うつ関連認知の変容効果について検証した。実験期間は3週間であった。分析の結果, 本プログラムを受けた認知療法群 (n=62) は, 統制群 (n=64) に比べ有意に抑うつ感の程度が軽減したことが示された。また, 抑うつ感の発現因と捉えられている否定的自動思考の頻度, 抑うつスキーマの程度も有意に軽減したことが示され, 本プログラムは将来に対する予防的措置としても有効であることが示唆された。研究2では, 本プログラムによる抑うつ感軽減効果の個人差について検討した。個人差要因となる変数には, 認知的変数として否定的・肯定的自動思考の頻度及び抑うつスキーマの程度を, 行動的変数として調整型・改良型セルフ・コントロール実行状況を想定した。分析の結果, 介入前における肯定的自動思考の頻度が効果の個人差要因となることが示された。