著者
小川 博 堺 通子 高寺 恒慈 目黒 忠道
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.127-132, 1997-04-10 (Released:2010-02-22)
参考文献数
24
被引用文献数
3 3

田七人参粉末投与が通常食飼育SHRSPの血圧ならびに脂質代謝に及ぼす影響について検討を行った。1) SHRSPの血圧上昇は投与5週間目より7週間目にわたって抑制が観察され, 6週間目で有意な上昇抑制が認められた。2) 血清脂質代謝においては, 血清脂質含量への影響は認められなかったが, 血清apoE含量の有意な上昇が観察された。この上昇はHDLの亜分画の一つであるapoEに富むHDL (HDL1) の上昇に基づくものであった。さらに動脈硬化指数の一つであるapoB/apoA-Iの有意な低値が認められた。以上のことから田七人参粉末投与による血清脂質代謝改善作用が示唆された。3) 肝臓脂質代謝においては, 肝臓脂質含量ならびにマイクロソーム分画のコレステロール代謝関連酵素活性, いずれも有意な変動は認められず, 田七人参粉末投与が肝臓脂質代謝に及ぼす影響は小さいものと考えられる。
著者
折原 茂樹 目黒 忠道
出版者
近畿大学
雑誌
近畿大学医学雑誌 (ISSN:03858367)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.21-30, 2006-03-25
被引用文献数
1

大学生の生活習慣と健康意識などとの関係をみるために,大学生を被験者として,「日常生活調査」,「疾病経験・相談者調査」,「健康意識調査」の3種の質問紙調査を実施した.その結果,(1)「日常生活調査」質問紙より「規則的生活リズム因子」,「生活習慣妨害因子」,「健康生活習慣因子」を,(2)「疾病経験・相談者調査」質問紙より「健康サポータ因子」,「疾病経歴因子」を,(3)「健康意識調査」質問紙より「健康将来展望因子」,「健康楽観因子」,「生活習慣不安因子」,「健康情報希求因子」をそれぞれ抽出した.(4)「健康楽観因子」以外の因子に性差がみられた.(5)住居別(自宅通学者と自宅外通学者)の差がみられた因子は「規則的生活リズム因子」,「生活習慣妨害因子」であった.(6)各因子得点間では「規則的生活リズム因子」と「生活習慣不安因子」との間に相関があった.(7)「生活習慣調査」調査の各因子に関連した「健康意識調査」調査等の各因子と,関連しない因子を認めた.(8)学年差では,「規則的生活リズム因子」と「健康楽観因子」で学年差がみられた.