著者
中澤 洋三 森野 達也 宮下 慎一郎 南 和広 相根 義昌
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.70, no.1, pp.25-31, 2023-01-15 (Released:2023-01-16)
参考文献数
13

北海道固有の生物資源であるエゾシカを有効活用するべく, エゾシカ肉の特徴を活かし, 独特な臭みや硬い食感などの欠点を改善した「蝦夷鹿ソーセージ」を開発した. 粗挽きエゾシカもも肉に粗挽き豚脂20 %, 砕氷20 %, 食塩2.4 %, 砂糖2 %, 発色剤0.15 %, 発色助剤0.1%, ポリリン酸塩0.2%, 重曹0.4 %, ブラックペッパー粗挽き0.6 %, オールスパイス0.2 %およびセージ0.2 %を添加して, 手捏ねで混合した後, 羊腸に充填し, 60 ℃雰囲気-30分乾燥後, 60 ℃雰囲気-30分燻煙し, 中心温度70 ℃-1分のクッキングで製造した「蝦夷鹿ソーセージ」は, 食感と血のような味質が大幅に改善し, シカ肉に特徴的なタンパク質と鉄の含量が高く, 脂質の含量が低い栄養特性を有し, 肉色の赤さを生かした赤みが強い, 官能評価のバランスに優れた製品となった.
著者
相根 義昌 中川 純一 戸枝 一喜 佐藤 広顕
出版者
社団法人 におい・かおり環境協会
雑誌
におい・かおり環境学会誌 (ISSN:13482904)
巻号頁・発行日
vol.44, no.5, pp.298-306, 2013-09-25 (Released:2017-10-11)
参考文献数
14

食材の香りと風味は,食材に含まれる複数の化合物が人の感覚器によって検出されることによって生まれる.したがって,香りや風味を機器分析によって評価することは困難とされてきた.しかし,人による官能試験と機器分析を組み合わせた方法で香りや風味を評価できる可能性がうまれてきた.一方,好まれる食材の香りを生み出すためには,香りや風味に関わる化合物がどのように合成されるかを解明することが必要である.本稿では,香り成分の視点から,発酵食品中の化合物とその代謝経路,植物の香りに関わる遺伝子の研究について紹介する.