- 著者
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水口 純
相沢 益男
- 出版者
- 公益社団法人 高分子学会
- 雑誌
- 高分子 (ISSN:04541138)
- 巻号頁・発行日
- vol.19, no.3, pp.231-235, 1970-03-01 (Released:2011-09-21)
- 参考文献数
- 10
- 被引用文献数
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1
ソビエトのDeryaginらは低圧水蒸気を毛細管中に凝結させて得た水は,通常の水とは著しく物性が異なる,いわゆる“anomalous water” であることを報告していた.その後二三の追試が行なわれていたが,最近アメリカ・メリーランド大学のLippincottらは“anomalous water” は水のポリマーであることをIRおよびラマンスペクトル測定によって見出し,この水を“polywater”と名づけた.“polywater” はF-H-F水素結合と同程度のきわめて強い水素結合によって水分子どうしが結合していて,密度は約1.4g/cm3であるという.“polywater” の存在が事実であるとすれば,水に対する概念の根本的変革が必要であり,その影響は生物化学,地球化学のみならず高分子合成など数多くの分野に及ぶものと考えられる.著者らは生体における水と生体機能との関連性を究明しているが, “polywater” の存在はこの研究に対してもきわめて多くの示唆を与えるものである.