著者
眞壁 優美
出版者
日本海水学会
雑誌
日本海水学会誌 (ISSN:03694550)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.237-240, 2013 (Released:2014-09-17)
参考文献数
6

鶏肉,豚肉および牛肉を用いて,食肉の食感に及ぼす塩分濃度および市販塩の種類の影響について基礎的な検討を行った.塩分濃度の影響については,塩分濃度の増加に伴うゲル強度の変化は食肉によって異なったが,いずれの食肉においても塩分濃度が増加するにつれて保水性は増した.市販塩の種類の影響については,牛肉において,ゲル強度および収量に対する塩の塩化ナトリウム純度の影響が見られたが,鶏肉および豚肉においては影響が小さかった.従って,いずれの食肉においても,塩を添加することにより,脂肪の分離や肉汁の溶出を防ぐことが分かった.また,塩を添加することにより,牛肉は食感の変化があまりないのに対し,鶏肉については,かまぼこのような弾力性のある食感を,豚肉については柔らかい食感を得られることが示唆された.
著者
眞壁 優美
出版者
日本海水学会
雑誌
日本海水学会誌 (ISSN:03694550)
巻号頁・発行日
vol.60, no.4, pp.302-305, 2006 (Released:2013-02-19)
参考文献数
8

塩類濃度およびその組成を変化させたときの食感に及ぼす影響について検討するため, 大豆加工製品である豆腐を対象として, 豆腐ゲルのゲル強度を測定し検討を行った, マグネシウムイオンやカルシウムイオンのように2価陽イオンを持つ塩のゲル強度への効果は大きかった. 1価の陽イオンを持つ塩と2価の陽イオンを持つ塩では, 2価の陽イオンを持つ塩の方がゲル強度に対する効果は大きかった. 塩化マグネシウムと塩化カルシウムでは, 0.05mol/L以上の高濃度領域においてゲル強度に対する効果が異なり, 塩化マグネシウムにおいてゲル強度が減少した. また, 塩化マグネシウム塩化ナトリウム混合溶液を用いた場合においては, 塩化ナトリウムはゲル強度に対して大きな影響はないが, 保水力に関与することが示唆された.
著者
眞壁 優美 中山 由佳 谷井 潤郎
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.110-116, 2009 (Released:2015-03-20)
参考文献数
12
被引用文献数
2

うどんの物性に及ぼす塩類の影響について検討するため,種々の塩類と市販塩を用いて調製したうどんの物性評価を行った。また,市販塩については,官能評価を行い,うどんの食感に及ぼす影響について検討した。 生うどんの物性については,各塩類の影響が見られ,生うどんの生地における伸びやすさについては,塩化カリウムを用いた生地が最も伸びやすく,硫酸カルシウムを用いた生地が最も伸びにくく硬いことが分かった。市販塩を用いた場合,塩種による差が見られたが,その差は小さかった。 ゆでうどんについては,塩化マグネシウムおよび塩化カルシウムを用いたうどんについては軟らかい傾向が見られたが,生うどんの場合と比較し,各塩類の影響は小さくなることが分かった。市販塩を用いた場合,物性評価,官能評価の結果に差はなく,いずれの塩を使っても食べたときの食味には大きな違いはないことが分かった。