著者
矢崎 慶太郎
出版者
専修大学人間科学学会
雑誌
専修人間科学論集. 社会学篇 (ISSN:21863156)
巻号頁・発行日
no.4, pp.137-148, 2014-03

本論では、芸術についての社会学理論を概観するために、基本的なアプローチを4つに区分して考察する。まず第一に芸術を道徳や経済などの「社会の反映」として示すコント、マルクス、第二に、芸術を社会と対立する関係にあるものと見なし、「社会の外側」にあるものとして扱うアドルノおよびゲーレン。第三に、芸術は社会的な反映ではないが、政治や経済と同様に、社会制度のひとつであり、「社会の内側」に属するものとして扱うベッカー(アート・ワールド)、ブルデュー(芸術場)、ルーマン(芸術システム)。第四に、芸術そのものを社会の原型として見るジンメル、および芸術がどのように他の社会領域に影響を与えているのか、という視点から芸術と経済との関係を研究するアプローチを取り上げる。これらの4つのアプローチを取り上げながら、芸術をどのように社会的な現象として扱うことができるのか、および芸術の社会学的研究にはどのような意義があるのかについて明らかにする。
著者
矢崎 慶太郎
出版者
専修大学社会知性開発研究センター/ソーシャル・ウェルビーイング研究センター
雑誌
ソーシャル・ウェルビーイング研究論集
巻号頁・発行日
vol.3, pp.9-31, 2017-03

文部科学省私立大学戦略的研究基盤形成支援事業(平成26年度~平成30年度)本論では,信頼に関するアンケート調査の結果を社会学理論に基づいて解釈することを通じて,信頼という概念から社会全体のあり方を捉えることを目的としている.そこでまず,社会学がどのように信頼を捉えてきたのかについて,本論2節では信頼が発生する基本的な条件を論じながら考察する.次に第3節では,ルーマン,ギデンズ,パットナムの社会学理論を参考にしながら,信頼関係の社会的変容について,特に社会の近代化が信頼関係に与える影響を中心に分析する.第4節では,信頼についての量的調査の結果を参照し,これらの調査データを社会学的にどのように解釈できるのかを考察する.そのために,家族,友人,近隣住民,ほとんどの人,見知らぬ人,公務員に対する信頼度の各種平均値の比較,および収入・幸福度・市民活動参加頻度が信頼に与える影響を分析する.なお本論で使用する調査データは,2015年2月に専修大学ソーシャル・ウェルビーイング研究センターが実施した「ライフスタイルと価値観に関する国際比較調査」である.
著者
矢崎 慶太郎
出版者
関東社会学会
雑誌
年報社会学論集 (ISSN:09194363)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.26, pp.183-194, 2013-09-10 (Released:2015-06-12)
参考文献数
26

The purpose of this paper is to define art through systems theory and in terms of social motivation. On the basis of social function in systems theory, I try to examine the motivation of art as a system that functions in a way that cannot be achieved by other social systems (politics, economy, law, etc.). First, I describe problems with three approaches in previous art studies that do not sufficiently compare art with other systems and their functions. Second, I treat the motivation of art as entertainment from an alternative perspective, because certain social demands cannot be supplied through other systems. Finally, I consider how art influences other systems and themes in contemporary society.
著者
矢崎 慶太郎
出版者
関東社会学会
雑誌
年報社会学論集 (ISSN:09194363)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.26, pp.183-194, 2013

The purpose of this paper is to define art through systems theory and in terms of social motivation. On the basis of social function in systems theory, I try to examine the motivation of art as a system that functions in a way that cannot be achieved by other social systems (politics, economy, law, etc.). First, I describe problems with three approaches in previous art studies that do not sufficiently compare art with other systems and their functions. Second, I treat the motivation of art as entertainment from an alternative perspective, because certain social demands cannot be supplied through other systems. Finally, I consider how art influences other systems and themes in contemporary society.
著者
矢崎 慶太郎
出版者
専修大学人間科学学会
雑誌
専修人間科学論集. 社会学篇 (ISSN:21863156)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.137-148, 2014-03-15

本論では、芸術についての社会学理論を概観するために、基本的なアプローチを4つに区分して考察する。まず第一に芸術を道徳や経済などの「社会の反映」として示すコント、マルクス、第二に、芸術を社会と対立する関係にあるものと見なし、「社会の外側」にあるものとして扱うアドルノおよびゲーレン。第三に、芸術は社会的な反映ではないが、政治や経済と同様に、社会制度のひとつであり、「社会の内側」に属するものとして扱うベッカー(アート・ワールド)、ブルデュー(芸術場)、ルーマン(芸術システム)。第四に、芸術そのものを社会の原型として見るジンメル、および芸術がどのように他の社会領域に影響を与えているのか、という視点から芸術と経済との関係を研究するアプローチを取り上げる。これらの4つのアプローチを取り上げながら、芸術をどのように社会的な現象として扱うことができるのか、および芸術の社会学的研究にはどのような意義があるのかについて明らかにする。