著者
知念 民雄
出版者
流通経済大学
雑誌
流通経済大学論集 (ISSN:03850854)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.119-134, 2002-03

Mounds of burrowing animals such as moles, voles, etc. were repeatedly observed during 1995-1996 at the fixed plot (quadrat,10m×10m) set on the south-facing slope of Le Serre mountain (2017m a.s.l.), located in the subalpine zone of central part of the Pyrenees. The same observation was also conducted along a 1200m long transect (Transect-SW) passing through the fixed plot to discuss spatial relative importance of mound building of the fixed plot. Size and distribution of the mounds along the transect and temporal variation of the mounds of the fixed plot are described in the present paper. The methodology, together with geomorphic effect and geomorphological significance of the bioturbation and redistribution of earth materials by soil fauna, will be discussed in separate paper.
著者
知念 民雄 リヴィエール アン
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
Geographical review of Japan, Series B (ISSN:02896001)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.35-55, 1989-06-30 (Released:2008-12-25)
参考文献数
57
被引用文献数
3 6

1977-1878年噴火によって荒廃した北海道有珠山の火口原全域において,1977年から1984年に至るあいだの自然の植生回復と地形プロセス(侵食および堆積プロセス)との関連を調査した。調査方法は,おもに野外での観察・観測と航空写真判読によった。 植生回復プロセス-残存(survival)と種子散布による侵入(invasion)-と地形プロセスとの関連はダイナミヅクな様相を呈した。残存は植生回復に大きく貢献した。樹木の親株と埋没落枝からの萌芽は新期テフラに浅く覆われた(約50cm以下の層厚)区域でしばしば観察された。数多くの草本植物の地下茎からの回復-樹木に比較して容易に厚いテフラ層(約1mの層厚)を貫いた-は広範囲にわたった。テフラに厚く覆われたが,2次的に開析された斜面においては,リルやガリーに沿う草本植物の残存と侵入が一般的に認められた。軽い風散布種子起源の先駆木本植物は,はじめに火山灰と軽石に特徴的に覆われ,かつ地形プロセスの鎮静化した扇状地に侵入した。草本植物の侵入も,同様に火山灰地より軽石質の区域に優勢であった。リルおよびガリー侵食は,植生回復に物理的被害をおよぼす反面,有機物や種子を外輪山内壁から斜面下部そして火口原へと運搬すると同時に,旧土壌を露出するという重要な役割を演じた。 斜面と扇状地における先駆木本および草本植物の定着の経時変化は地形プロセスの不活発化に大きく左右された。表面侵食速度は顕著な植被回復の開始以前に急減した。このことは,実際の植被回復が加速化した侵食を和らげるのに大きな役割を果たさなかったことを示している。むしろ,地形プロセスの不活発化が植生回復を規定したと言える。 以上のことは,植生回復が基本的には噴火の直接的被害-とくに植生の破壊程度とテフラ層厚-と噴火後の地形プロセスとその推移に大きく依存することを示している。
著者
知念 民雄
出版者
流通経済大学
雑誌
流通經濟大學論集 (ISSN:03850854)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.45-52, 1998-07

Little concern, from the point of view of rockglaciers, has been directed to the Japanese alpine geomorphology. In the present paper, significance of the viewpoint of rockglaciers in the Japanese alpine geomorphology is discussed on the basis of a brief review on recent studies of rockglaciers. Recent studies especially on morphological features have led to a remarkable progress in an understanding of rockglaciers, although genetic and dynamic aspects are much open to discussion, resulting in confusion and disparities on definition of rockglaciers. When examined from the viewpoint of morphological features, an aspect of rockglaciers, it is implied that some Japanese glacial and periglacial landforms which have been identified as moraines, protalus ramparts etc. might be misinterpreted. Re-examination of the Japanese alpine geomorphology, viewed from various aspects of rockglaciers, is necessary in further studies.
著者
堀 信行 岩下 広和 高岡 貞夫 篠田 雅人 知念 民雄 鹿野 一厚 OUSSENI Issa OJANY Franci DONGMO Jeanー
出版者
東京都立大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1995

今年度は、3年計画の最終年度にあたり、まとめを目指して現地調査等を実施した。ケニアに関しては、ケニア山北東麓の乾湿変化が大きい新メル-県で約50件の農家に聞き取りを行い、樹木利用の多様性とその変遷調査をした。樹木信仰は、独立後のキリスト教の浸透とともに失われている。降水量の多い地域ほど早くから人が住み、果樹を含む多様な樹木利用(利用樹種および利用方法の多様性)をしてきた。降水量の少ない地域ほど入植が新しく、耕地の水分保持と干ばつ年の家畜飼料の確保に片寄る傾向がある。ニジェールでは、ニジェール川河岸沿いの侵食の実態と土地の荒廃(侵食の激化)とそれに対する住民の認識調査を行った。近年形成された涸れ川の分布図の作成により、谷部と斜面部それぞれに発達した涸れ川が過去15-20年間に連結し網状水系となっている。近年の侵食の加速化により耕作不能面積が増大し、河岸の漁業にも影響を与えている。人口増加による休閑地の減少は著しい。農民は旧ミレット畑に井戸を掘って換金作物を中心の菜園化を進めている。住民の侵食観には負のイメージしかない。侵食の激化原因は、都市住民による樹木伐採と雨季の表面流出と乾季の風食の激化にあり、気候変化による樹木の枯死と考える住民は少ない。なお気候激変を示唆する気候データの収集と解析は、サヘル地帯の降水量と植生の変化の相互関係の解明に有効なニジェールでの定点観測(三地点)に加えて、より湿潤なギニア湾岸(ベナン)まで土壌水分量の移動観測と雨量データの収集を行った。土壌水分量の変化は、月平均値で見れば雨季の進行につれ徐々に水が蓄積されるように見えるのは、雨季盛期の降雨間隔が短いため、土壌水分量が減衰している途中で再び水が供給されるためである。従って雨季でも降雨が疎らな時期には乾季に近い値まで低下する。一方年降水量の異なる地点でも、乾季の土壌水分量は1〜5%と大差無い。