著者
石井 充 鷹合 大輔
出版者
一般社団法人 CIEC
雑誌
コンピュータ&エデュケーション (ISSN:21862168)
巻号頁・発行日
vol.47, pp.49-54, 2019-12-01 (Released:2020-06-01)

情報工学科におけるICT教育において,OSとプログラミングは重要事項である。現在,これらの内容を教育する際には,UNIXやC言語といった,長い歴史を有し高度に発展したものを用いることが多いが,これらは完成度が高いがゆえに理解が困難になっている側面がある。本稿では,こういった問題を克服する取り組みとして,1970年代に実際に現場で使われたOSとプログラミング言語であるUNIX第一版と初期のC言語を用いた教育を紹介する。これらを通じて,学生は,現在は複雑化したUNIXやC言語も当初は簡素なものであったことを理解し,ある程度の親しみを感じると同時に,現在のOSやC言語の有用さを感じることができるようになったことを示す。
著者
石井 充
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2019年春季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.261-264, 2019-08-31 (Released:2019-08-30)

現在のIT関連ビジネスにおいては、ネットワーク外部性が大きな効果を有する事例が多数みられる。それらの現象を理解するため、エージェントモデルによる解析が進んでいる。最も簡単なイジング型のモデルでは、解析的な計算が可能であり、2次相転移現象が存在し、パラメータによって巨視的な量が定性的に大きく変化することが知られている。しかしながら、格子状にエージェントを並べたイジング型のモデルは現実を必ずしも的確に表現しておらず、スケールフリーネットワークの方がより適切であることが知られている。本発表では、スケールフリーネットワークにおける相転移現象と市場における成長曲線との関係を数値的に調査した結果を報告する。
著者
井口 貴文 井口 守丈 手塚 祐司 青野 佑哉 池田 周平 土井 康佑 安 珍守 石井 充 益永 信豊 小川 尚 阿部 充 赤尾 昌治
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.50, no.10, pp.1102-1107, 2018-10-15 (Released:2019-12-06)
参考文献数
10

先天性アンチトロンビンⅢ(AT-Ⅲ)欠損症は比較的稀な常染色体優性の遺伝性疾患である.AT-Ⅲ欠損症においては静脈血栓塞栓症(VTE)が多発することが知られている.VTEの治療には従来からヘパリンが使用されていたが,ヘパリンの抗凝固作用は血中のAT-Ⅲレベルに依存するため,AT-Ⅲ血栓症に伴うVTEに対しては,ヘパリンの単独治療では十分な抗凝固作用が期待できず,AT-Ⅲ製剤の補充が必要とされる.近年,VTEの治療に対しては,ヘパリンに代わって直接型経口抗凝固薬(DOAC)が有効であるとの報告が相次いでなされている.DOACはAT-Ⅲを介さずに抗凝固作用を発揮するため,AT-Ⅲ欠損症に伴うVTEに対しても効果があると考えられるが,AT-Ⅲ欠損症に伴うVTEに対してDOACが有効であったとの報告は極めて限られている.今回われわれは,AT-Ⅲ欠損症に伴うVTEの症例に初期からDOACの1つであるリバーロキサバン単剤で加療し,比較的速やかに症状の改善,D-dimerの低下,および画像上の血栓の消退が認められた症例を2例経験した.2例ともその後リバーロキサバンを継続することでVTEの再発なく経過している.AT-Ⅲ欠損症に伴うVTEに対してリバーロキサバンの有効性を示唆する貴重な症例であると考え,ここに報告する.
著者
石井 充
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2018年秋季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.57-60, 2018 (Released:2018-12-25)

SNSをはじめとした多くのWebサービスにおいては,ネットワーク外部性が大きな効果を有する.このような特性を有する市場では,市場の成長曲線がS字型となり,一定期間の初期投資が必要であるが,ひとたび市場が成長過程に入れば,シェアが固定化されると言われることが多い. 本研究では,簡素なモデルであるイジングモデルを用い,モデルが有する2次相転移という特性と,サービスが普及していく過程を表す成長曲線との関連性を調査した.その結果,相転移が生じる前後では,ネットワーク外部性により市場のシェアが固定化されるようなパラメータセットに対しても,成長曲線はS字型ではなく線形に近くなる場合があることが判明した.