著者
納富 一宏 石井 博章
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.第55回, no.人工知能と認知科学, pp.95-96, 1997-09-24

専門用語などを多用した文書に見られる, 一般的でない複合名詞は, 文書校正支援シスデムにおいて未知語として扱われる。未知語が多く含まれる文書のチェックでは, 校正支援のパフォーマンスは低下する傾向がある。これに対応するため, 複合名詞が未知語であると判断された場合について, 複数の部分文字列への分割(展開)を行い, さらに, 適当な付属語要素を補うことで, 単文を生成する。生成された単文は, 統語構造を持つことから, 通常の文書チェック処理を施すことが可能である。本稿では, 複合名詞として表現された未知語の解析を実現する「展開・単文化」手法について述べる。また, 本手法を用いた評価実験について触れる。
著者
石井 博章
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.22, no.4, pp.337-343, 1981-07-15

国鉄における旅客サービス・システムの一機能である座席予約においては列車名をキーとする方式がとられているこの場合旅客はあらかじめ時刻表などで希望する列車を調べておかなくてはならない.現在そのシステムを全体的に見なおし機能向上をはかろうという検討がなされており その一環として旅客の希望する時間帯からシステム側で列車を選定する方式の開発が進められている.それは時間帯予約方式と呼ばれているが ここではその問題を一種のネットワーク問題 特に枝の長さが時間の関数で与えられたネットワーク上の経路問題 として取り扱い 問題点を明らかにすると共に それらをマン・マシンにより実用的に解決し 列車選定を行う方式を提案する.この方式は現在の国鉄網の規模にたえうるものであり かつ優等列車ばかりでなく普通列車をも対象にしたきめの細かいサービスが期待できるものと考えられる.
著者
石井 博章
出版者
公益社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
Journal of the Operations Research Society of Japan (ISSN:04534514)
巻号頁・発行日
vol.21, no.4, pp.469-476, 1978-12

Kthバス問題は、バスとしてループを含むことを認める場合と認めない場合、さらに負の距離を考える場合と考えない場合などに、分類される。それらの解法も、最短路からなるツリーを利用する方法、最短路アルゴリズムを繰返し適用する方法、DPによる方法そして経路代数による方法など、いくつか存在する。しかしそのほとんどが、パスとしてループを含むことを認めるものであり、J、Yenの最短路アルゴリズムを繰返し利用する方法が現在唯一のループを含まないパスを求める方法と考えられる。ここでクラブ理論でよく知られている結果、P_1を始点_sから終点_tまでのループを含まないパスをするとき、s、t間のループを含まないパスの集合{P}は{P}=min{P_1[○!+]E;E∈{E}}によって表わされる(Eはオイラーグラフ)、を利用することにより、非負の距離を仮定したグラフ内の任意の2点間のループを含まないKthパスを求めるアルゴリズムを提案する。(ただしK番目パスの長さはK-1番目のパスの長さに等しくてもよいとしている)まず最短路アルゴリズムにより、最短路からなるツリーをつくり、そのツリーを利用してツリーに含まれない枝を正確に一本含むサーキット、C_1、C_2、…、C_<m-n+1>をつくる(m、nはそれぞれグラフ内の枝と点の数)。R_1={P_1}、Q_1=P_1として、一般にk〓2にたいしR_k=(R<k-1>-{Q<k-1>})∪{Q<k-1>[○!+]C_i}となる集合R_kをつくる。ここでC_iはQ<k-1>をつくるために使われていないものとする。次にR_kの中で最小の長さをもつサブグラフの1つをとり出しQ_kとする。このようにして順にQ_1、Q_2、…Q_k、…を求め、この中でパスとなるものを順次取出すことによりK番目のパスを求める。この方法はグラフの構造により効率が大きく変化するが、鉄道のネットワークなどには実用性が確かめられた。