著者
石井 幸雄 浜田 行弘 菅 真城 松岡 美佳
出版者
記録管理学会
雑誌
レコード・マネジメント (ISSN:09154787)
巻号頁・発行日
vol.63, pp.79-100, 2012

「教育情報の公表」が義務化され、大学の見える化は確実に進んでいる。しかし、その内容は、最低限必要な情報という基準で見てもまだまだ不十分である。社会が求めているかではなく、大学が有する教育情報を積極的に提供していくかが問われているのである。本稿では、大学のホームページによる「情報公表」及び文書管理の実情について、調査・分析することにより、「教育情報の公表」を進化させるためには、どのような改善が求められるのか、その組織的・機能的な方法について検討を行い、主に文書管理の観点から大学の自主的・自律的な質保証及び教育の質的向上に資する提言を行う。
著者
小川 千代子 秋山 淳子 石井 幸雄 石橋 映里 菅 真城 北村 麻紀 君塚 仁彦 西川 康男 廣川 佐千男 船越 幸夫 益田 宏明 山﨑 久道
出版者
記録管理学会
雑誌
レコード・マネジメント (ISSN:09154787)
巻号頁・発行日
vol.73, pp.44-59, 2017

<p> 本研究は3か年計画で記録管理学という学問分野の体系化を目的とする第1年目の成果である。ここでいう記録管理学体系化とは、実務者が、自身が経験した個別事例を一般化された記録管理体系の中に位置づける手がかりを求め、そこから文書管理実務の観察、検討、改善への道筋を探れるようになることを意図している。たとえば記録連続体論は、記録の存在を研究観察対象として論じる。だが、現実的実務につながるという面で見ると、記録管理学は長くその体系化の必要が叫ばれながら、事例紹介の蓄積にとどまり、体系の大枠すら明確ではない。そこで、初年度は文書管理の実務者が業務遂行上依拠する現状の文書制度に基づき、記録管理学の体系化の糸口を探ることとした。研究では、諸文書管理例規を収集し、用語と定義の比較分析を行った。</p>
著者
石井 幸雄 浜田 行弘 菅 真城 松岡 美佳
出版者
記録管理学会
雑誌
レコード・マネジメント : 記録管理学会誌 (ISSN:09154787)
巻号頁・発行日
no.65, pp.109-133, 2013-11-30

多くの大学が改革を加速させている。社会からの要請、18歳人口の減少、法令改正など外部環境の変化に的確に対応することは、大学が生き残る上で不可欠だからである。大学があるべき姿を実現するために、どのような戦略をたて、ヒト・モノ・カネ・情報という経営資源をどのように管理していくのかが喫緊の課題だと認識している。本稿では、大学の事務組織の業務を対象として、私物化意識の排除、事務の効率化支援、意思決定の最適化支援の観点から文書管理について考察する。大学認証評価制度の観点から内部質保証に資するための情報共有について言及し、「文書管理は大学経営の基盤である」という仮説の検証を試みる。