著者
石井 薫 藤野 文代 木村 美智子 掛橋 千賀子
出版者
ヒューマンケア研究学会
雑誌
ヒューマンケア研究学会誌 (ISSN:21872813)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.27-34, 2016

長期入院中の統合失調症患者の自己決定支援の場面と看護を明らかにすることを目的に,精神科病棟に勤務する5 年以上の臨床経験年数を持つ看護師15 名を対象に半構成的面接を実施し,質的帰納的に分析した. 結果,長期入院中の統合失調症患者の自己決定の支援場面は7 場面あり,1 . 飲食,2 . 服薬,3 . 私物管理,4 . 金銭管理,5. 対人関係,6. 外出,7. 身だしなみ,に関する場面であった.自己決定を支援する看護は9カテゴリから構成され, 3 側面に大別できた. 1 . 刺激の大きさを調整する緩衝材としての看護は4 カテゴリ, 2 . 患者を支える土台としての看護は3 カテゴリ, 3 . 看護者の固定観念に変容を与える看護は, 2カテゴリで示された.
著者
石井 薫 上野 瑞子
出版者
ヒューマンケア研究学会
雑誌
ヒューマンケア研究学会誌 (ISSN:21872813)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.1-8, 2019-03-30

認知症以外の精神疾患患者とBPSD を有する患者が混在する状況下における精神科急性期病棟看護師の体験を明らかにすることを目的に,混在による体験を持つ看護師10 名を対象にインタビューガイドを用いた半構成的面接を行った.本稿では,混在する状況下における精神科急性期病棟看護師の対応について報告する.看護師の対応として,【疾患特性に合わせて接し方を切り替え】【相互作用による患者の刺激を回避】【トラブル対処能力が低い患者の安全を確保】の3 カテゴリが明らかになった.看護師は,精神状態の不安定な患者集団の思いを橋渡しし,患者にとって未知の存在である新たな入院患者の環境適応を促すことで,疾患特性の異なる患者間の共同生活で生じる刺激を軽減し,環境変化への順応を促進していた.また,患者の関係が量的にも質的にも適正なコミュニケーションとなるよう調整し,患者の対人関係にまつわる問題に対応していたことが明らかになった.
著者
石井 薫
出版者
東洋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

1 地方自治体におけるISO環境監査の導入について、全国各地で現地調査を行うとともに、学校版ISOなどの取組み状況にっいて現状を明らかにした。2 大学、高校、小中学校、幼稚園・保育園、それに専門学校や各種教育機関などにおけるISO14001の認証取得に関する調査を行い、「地方自治体と学校における環境監査の導入(1)(2)(3)」というテーマで論文をまとめた。3 学校に環境監査を導入する一つの事例として、環境ISOだけでなく学生が自己宣言・自己認証できるような環境監査の新しい方法として、家庭版&社会版スーパーISO,学生版スーパーISOなどを、大学の講義で試みた。学生の実践レポートの一部をまとめて、『「環境マネジメント入門」講義の現場報告』『「環境監査論」講義の現場報告』『「環境マネジメント」講義の現場報告』というタイトルの新書3冊を出版した。4 大学や高校におけるISO14001の認証取得の実状を取り入れて、改訂版『環境監査(第三版)』を発行するとともに、コミュニティ版スーパーISOの実践レポートを取り入れた『公共監査論』を発行した。5 環境分野や教育分野などとのネットワークを構築して、具体的提言をするために、地球マネジメント学会の全国大会で、2004年度「"私"の意識マネジメントースーパーISOの進化」、2005年度「癒しと教育と秘学の統合」、2006年度「生きる意味を問う」という統一テーマの下で、スーパーISOによる大学の教育実践について報告した。