- 著者
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三神 厚
神山 眞
- 出版者
- 公益社団法人 土木学会
- 雑誌
- 土木学会論文集B3(海洋開発)
- 巻号頁・発行日
- vol.74, no.2, pp.I_133-I_138, 2018
東北地方太平洋沖地震によって,東北の太平洋岸の広い範囲で地盤が沈降し,多くの漁港で岸壁の嵩上げ工事が実施されたが,本震後の余効変動(隆起)が漁港施設に影響を及ぼしており,嵩下げ工事を実施する漁港も現れた.漁港の被災から復興に至る過程が高精度の地殻変動データとともに得られていることは過去にない特徴である.本研究では余効変動を伴う巨大海溝型地震による震災からの合理的な復興へ活かすための貴重な教訓を抽出すべく,東北の地震により漁港に生じた様々な不都合や,それに応じた関係機関の対応をヒアリング調査等から明らかにするとともに,地殻変動の推移とともに時系列で整理した.その結果,本震後,すぐに隆起に転じた地域では,漁業の継続性を確保するための段階的な復興工事が結果的に有益であったこと等が明らかになった.