著者
町田 綾子 山田 如子 木村 紗矢香 神崎 恒一 鳥羽 研二
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.262-263, 2010 (Released:2010-07-05)
参考文献数
3

目的:認知症患者に抑肝散を6カ月以上長期投与し,認知症の周辺症状,家族の介護負担感の変化を検討する.方法:投与前後にDBD,ZBIを用いて評価し変化を検討した.結果:DBDは投与前後において有意な差を認めなかった.ZBIは有意に低下した.結論:抑肝散の長期投与において家族の介護負担感が軽減することが示唆された.
著者
花岡 陽子 山本 寛 飯島 勝矢 大賀 栄次郎 神崎 恒一 大内 尉義
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.42, no.4, pp.444-449, 2005-07-25 (Released:2011-03-02)
参考文献数
16

症例は76歳女性. 抗生剤 (CEZ, PIPC) が無効な不明熱に対する精査目的で2002年6月第1回入院. 39℃に至る発熱, CRP上昇, 汎血球減少を認めた. 貧血については, 骨髄穿刺で赤芽球癆と診断された. 原因の特定に至らないまま, 1カ月後に胆嚢腫脹, 胆道系酵素の上昇を認め, 胆嚢穿刺を行ったところ発熱は軽快, その後赤芽球癆も軽快し退院となった. しかし2003年4月, 再び発熱, CRP上昇, 汎血球減少を認めたため第2回入院. 検索の結果, 脾腫・異型リンパ球の出現とともに骨髄穿刺の所見からびまん性大細胞型B細胞リンパ腫 (骨髄浸潤) の診断に至った. 高齢者は典型的な症状を示しにくく, 発熱のみを主症状とする節外性の悪性リンパ腫の場合には, 他疾患との鑑別がきわめて困難である. 高齢者の不明熱においては血液悪性腫瘍, とくに悪性リンパ腫が潜在している可能性を念頭におき, 精査を行うことが必要と考えられた.
著者
木村 紗矢香 山田 如子 町田 綾子 杉浦 彩子 鳥羽 研二 神崎 恒一
出版者
The Japan Geriatrics Society
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.264-265, 2013

本研究の目的は,高齢者の耳掃除の実態を調査し,CGAとの関係を検討することである.当院もの忘れセンターの外来患者116名を対象に耳掃除の有無,認知機能,基本的ADL,抑うつ,意欲,周辺症状,介護負担について調査した.その結果,28%の患者が1年以上耳掃除をしておらず,耳掃除をしていない患者は耳掃除をしている患者よりも認知機能,基本的ADL,意欲,周辺症状が有意に低下もしくは悪化していた.<br>
著者
鳥羽 研二 守屋 佑貴子 中居 龍平 岩田 安希子 小林 義雄 園原 和樹 長谷川 浩 神崎 恒一
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.269-270, 2009 (Released:2009-06-10)
参考文献数
5
被引用文献数
1 2

目的:アルツハイマー型認知症の意欲の低下に,コリンエステラーゼ阻害薬が有効か検証する.方法:患者23名に対し塩酸ドネペジル5 mgを投与,前後にVitality Indexを測定し比較.結果:Vitality Indexは投与前7.87±0.25,投与後8.74±0.19と有意な改善がみられた.結論:アルツハイマー型認知症の生活の意欲の低下にコリンエステラーゼ阻害薬が有効である可能性が示唆された.