著者
駒井 信一郎 細江 智夫 野沢 幸平 オカダ カオル デ・カンポス・タカキ ガルバ・マリア 福島 和貴 宮治 誠 堀江 義一 河合 賢一
出版者
Japanese Society of Mycotoxicology
雑誌
マイコトキシン (ISSN:02851466)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.11-18, 2003-01-31
被引用文献数
3 18

新たに分離された糸状菌102菌株の培養エキスについて病原性糸状菌2種および病原性酵母2種を用いて抗真菌性を調べた結果,35菌株に抗真菌活性が認められた.今回は,APBAをはじめとする各種アスペルジルス症の原因菌であるアスペルジルス·フミガツスに対して特異的に抗菌活性を示したアスペルジルス·ベルシカラー·グループに属するIFM 51759株に着目し,その成分検索を行ったところ,3種のピラノン誘導体,アスペルリンとその立体異性体及びアセチルフォマラクトンとともに新規フラノン誘導体エピムサシンDを得たので,その構造を各種機器データの解析から推定した.今回得られた4化合物について抗アスペルジルス·フミガツス活性を検討したした結果,アスペルジルス·フミガツスに対してのみ抗菌活性を示したアスペルリンとアセチルフォマラクトンがその生産量と活性の強さからIFM51759株の活性本体と想定した.また,フラノン誘導体エピムサシンDはピラノン誘導体とは異なり,弱いながらアスペルジス·ニガーにも抗菌活性を示した.
著者
矢口 貴志 滝澤 香代子 田口 英昭 田中 玲子 窪田 規 窪田 宜昭 窪田 正昭 福島 和貴
出版者
日本医真菌学会
雑誌
日本医真菌学会雑誌 (ISSN:09164804)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.97-100, 2007 (Released:2007-09-26)
参考文献数
14
被引用文献数
2 2

銀は, 古くから細菌などの微生物に対して抗菌作用を有することが知られており, 食器をはじめ歯科用充填材などに用いられている. 今回, ナノ銀粒子を静電吸着させたコラーゲン水解ペプチド (GX-95) の病原真菌を中心とした真菌に対する抗真菌活性について検討した. その結果, 検討したすべての菌種に対し, 抗真菌活性を有することが明らかとなった. 最小発育阻止濃度 (MIC) は, fluconazole, itraconazole, flucytosine 耐性株を含めたCandida albicans に対して0.25-3.1μg/ml, Cryptococcus neoformans に対して0.05-0.2μg/ml, Aspergillus fumigatus に対して0.025-0.4μg/ml, Trichophyton rubrum に対し0.4μg/ml, Cladophialophora carrionii に対して0.05μg/ml などとなり, GX-95は幅広く強い抗真菌活性を示した.