著者
福島 東浩 内野 滋彦
出版者
メディカル・サイエンス・インターナショナル
巻号頁・発行日
pp.285-289, 2014-04-01

ICUにおいては,一般的に面会制限が行われている。その理由は,主に感染,業務の負担増加,適切な医療環境が乱されることなどへの懸念が考えられる。しかし,実際にどの程度の根拠があって面会制限が行われているのか,この点について検討された研究は驚くほど少ない。 そこで本稿では,これらの懸念と面会との関連性や,面会時の対応についてガイドラインなどのわずかな情報を参照しながら,考察してみたい。 Summary ●多くの国々のICUでは面会の際に時刻や時間,年齢などを制限している。 ●面会に制限を設ける理由は,感染や業務の負担増加,適切な医療環境の維持が乱されることへの懸念が挙げられるが,それらを示す報告はほとんどない。 ●患者だけでなく家族の立場にも考慮し,面会制限の緩和・解除を広げるべきである。
著者
福島 東浩 澁谷 有香 小林 秀嗣 西川 正子 庄司 和広
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.1-8, 2019-01-15 (Released:2019-02-14)

セボフルラン(SEV)よりもデスフルラン(DES)の方が早く覚醒するといわれるが,実臨床では吸入麻酔の種類より麻酔科医の熟練度の方が影響を与えている可能性がある.本研究の多変量解析の結果,抜管までの時間はDES使用より(HR 1.17,[95%信頼区間 1.01-1.34],p=0.04),麻酔科医の熟練度の方が強く関連していた(研修医+指導医;参照,卒後6-9年;HR 1.59,[1.24-2.05,p<0.001],卒後10年;HR 1.53,[1.20-1.97,p=0.001]).抜管までの時間はDES使用で若干の短縮が認められたが,麻酔科医の熟練度の影響の方が大きいことが示唆された.