- 著者
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福澤 尚美
- 出版者
- 研究・イノベーション学会
- 雑誌
- 研究 技術 計画 (ISSN:09147020)
- 巻号頁・発行日
- vol.26, no.1, pp.40-51, 2012
- 参考文献数
- 36
大型競争的研究資金である21世紀COEプログラムにより,どれだけ研究が促進されたのかを,学術データベースにより作成した個別研究者の論文数と1論文あたり被引用数を成果指標としてDifference-in-differences推定量により実証分析した。その結果,生命科学分野全体では論文数,被引用数共に正に有意な増加効果が得られ,情報・電気・電子分野全体では被引用数で正に有意な増加効果が得られた。社会科学分野全体では論文数,被引用数共に正に有意な増加効果は得られなかった。本分析からこのプログラムにより概ね研究が促進されたと評価出来る。また,推定結果をピアレビューと比較した結果,生命科学分野では大きな相違は見られなかったが,情報・電気・電子分野と社会科学分野では相違がみられた。従って,分野により研究の特性が異なるため,ピアレビューのみならず定量的な分析との併用が研究評価の手法として望ましいと考える。