著者
福田 直人 和田 浄史 高橋 茂男 田村 義民
出版者
日本腹部救急医学会
雑誌
日本腹部救急医学会雑誌 (ISSN:13402242)
巻号頁・発行日
vol.24, no.5, pp.939-943, 2004-07-31 (Released:2010-09-24)
参考文献数
25
被引用文献数
3

症例は74歳, 女性.下腹部痛と嘔気を主訴にイレウスの診断で当院に緊急入院となった.病歴聴取により発症2日前に玉こんにゃくを咬まずに飲み込んだことが判明した.腹部単純X線撮影およびCT検査で管腔内に腸液とガスが充満し, 全体的に拡張する小腸像を認めた.当初, 経鼻胃管により保存的治療を開始したが軽快しないため, 4日目にイレウス管挿入し5日目に小腸造影を行った.その結果, 回腸に玉こんにゃくが詰まってイレウスの原因となっていることが判明したため, 同日緊急開腹術を施行した.気管支喘息という基礎疾患を有することおよび閉塞部位が下腹部に限定されたことより, 腰椎麻酔+硬膜外麻酔下に下腹部の5cm小開腹で低侵襲手術 (minimally invasive surgery: MIS) を行った.回盲弁より10cmの回腸に4×3×2cm大の玉こんにゃくが詰まっており, 同部の小腸を切開して摘出した.術後, 23病日で軽快退院となった.文献的考察も含め報告する.
著者
福田 直人
出版者
社会政策学会
雑誌
社会政策 (ISSN:18831850)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.123-134, 2012-06-10 (Released:2018-02-01)

本稿では失業者に対する生活保障制度に関して,所得保障の観点から日独比較を行う。ドイツを対象とするのは,失業保障制度の構造において日本との共通点が多いためである。失業保障の国際比較研究は既に多く存在するが,その大部分が失業手当の給付金額と期間の比較に限定されていた。だが,失業時所得保障において重要な点は,失業保険の給付金額や期間だけではなく,就業時に支払ってきた税金や,社会保険料の免除,減免措置の有無である。本稿ではOECDの離職前賃金代替率の問題点を検討し,失業保険適用内,適用外それぞれの失業者に対する所得保障を分析した。その結果,日本の場合,失業保険が適用されたとしても40歳の失業者は税,社会保険料の負担によって受給額がマイナス,つまり貯蓄の取り崩しを迫られる可能性があることを示した。国際的には低水準と評価されるドイツの失業保障と比較しても,日本は更に低い水準であることが明らかになった。
著者
福田 直人
出版者
社会政策学会
雑誌
社会政策 (ISSN:18831850)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.123-134, 2012-06-10

本稿では失業者に対する生活保障制度に関して,所得保障の観点から日独比較を行う。ドイツを対象とするのは,失業保障制度の構造において日本との共通点が多いためである。失業保障の国際比較研究は既に多く存在するが,その大部分が失業手当の給付金額と期間の比較に限定されていた。だが,失業時所得保障において重要な点は,失業保険の給付金額や期間だけではなく,就業時に支払ってきた税金や,社会保険料の免除,減免措置の有無である。本稿ではOECDの離職前賃金代替率の問題点を検討し,失業保険適用内,適用外それぞれの失業者に対する所得保障を分析した。その結果,日本の場合,失業保険が適用されたとしても40歳の失業者は税,社会保険料の負担によって受給額がマイナス,つまり貯蓄の取り崩しを迫られる可能性があることを示した。国際的には低水準と評価されるドイツの失業保障と比較しても,日本は更に低い水準であることが明らかになった。