著者
小林 慎二郎 瀬上 航平 三浦 和裕 四万村 司 櫻井 丈 小泉 哲 牧角 良二 月川 賢 宮島 伸宜 大坪 毅人
出版者
日本腹部救急医学会
雑誌
日本腹部救急医学会雑誌 (ISSN:13402242)
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.595-598, 2011-05-31 (Released:2011-07-12)
参考文献数
21
被引用文献数
5

膿瘍形成性虫垂炎に対する緊急手術では拡大手術移行の可能性や合併症発生率が高い。当院では2008年から膿瘍形成性虫垂炎に対して保存的治療で膿瘍を沈静化させ手術希望があれば約3ヵ月後に虫垂切除を行うinterval appendectomy(以下,IA)を行っている。膿瘍形成性虫垂炎32例について検討した。32例中29例(91%)が平均17.2日の入院期間で保存的治療に成功した。29例のうち,手術希望のあった16例に対してIAを施行した。16例のうち14例(87.5%)が腹腔鏡下虫垂切除術を完遂した。手術症例16例における平均手術時間は96分で,手術時平均入院期間は9.4日であった。また手術症例において合併症の発生は1例も認めなかった。総入院日数が長いことが課題であるが,拡大手術移行が少なく,合併症もない本治療方針は膿瘍形成性虫垂炎に対して有効であると考えられた。
著者
高橋 克行 森田 裕人 土用下 和之 丸野 要 宮島 伸宜 酒井 滋
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.90-93, 2001-01-25 (Released:2009-08-24)
参考文献数
15

われわれは術前CODE療法,放射線療法および温熱療法にて切除しえた正岡分類IVb期の浸潤型胸腺腫の1例を経験したので,若干の文献的考察を加え報告する.症例は33歳,女性.右前胸部腫瘤を主訴に来院,精査にて浸潤型胸腺腫,肺転移,縦隔臓器浸潤を伴う正岡分類IVb期の診断にて入院,生検にてthymoma, mixed cellular typeと診断された.術前にCODE療法,放射線療法および温熱療法を施行したところ腫瘍は著明に縮小し,拡大胸腺胸腺腫摘出術を施行.腫瘍は大部分が硝子化していた.