著者
高野 順子 秋根 大 佐々木 敏 香山 不二雄
出版者
自治医科大学
雑誌
自治医科大学紀要 (ISSN:1881252X)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.233-241, 2006

心理状態と食品摂取の間に相関関係があるのか調べるため,平成14年9月に栃木県南河内町の中学校2年生200名を対象とし,多枝選択式による自記式食事調査票と心理状態に関する質問票の2種類のアンケート調査を実施し52%の有効回答を得た。データはプログラムBDHQL2を用いて算定し,食生活の傾向は食品摂取頻度および栄養素摂取量の2つのパラメーターによって評価した。心理状態と食品摂取との関係では,「カッとしやすさ」と「醤油・ソース頻度が高いこと」・「外食と比べたおかずの量が少ないこと」とに,同じく「イライラ感」と「骨ごとの魚食べる頻度が少ないこと」・「主食のある朝ご飯を食べる頻度が少ないこと」とに,「根気のなさ」と「骨ごとの魚頻度が少ないこと」・「海草摂取量の少ないこと」とに,「疲れやすさ」と「キャベツの摂取量の少ないこと」と・「きのこ摂取量の少ないこと」とに,「登校忌避感」と「生サラダ(レタス,キャベツ,トマト除く)を食べる頻度の少ないこと」・「主食のある朝ご飯を食べる頻度の少ないこと」に,相関が認められる結果となった。また栄養素に関しては「疲れやすさ」において「灰分」・「ナトリウム」・「ビタミンC」・「n-6系脂肪酸」・「多価不飽和脂肪酸」・「n-3系脂肪酸」と負の相関が見られる結果となった。
著者
古川 祥子 藤原 和哉 尾本 美代子 村山 友樹 呉 龍梅 笹木 晋 熊谷 亮 五十野 桃子 秋根 大 小林 浩幸 高屋敷 典生 鈴木 浩明 島野 仁 野牛 宏晃
出版者
THE JAPAN DIABETES SOCIETY
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.57, no.12, pp.913-920, 2014

症例は21歳女性.2年前から繰り返す発熱,倦怠感,頭痛,動悸,嘔気が1ヶ月前より増悪し来院.血圧186/133 mmHg,脈拍106/分,体温38.5 ℃,血液検査上HbA1c 8.2 %,血糖356 mg/d<i>l</i>と糖尿病を認め,CRP 40.21 mg/d<i>l</i>, IL-6 100 pg/m<i>l</i>と高値だった.画像上<sup>123</sup>I-MIBGシンチグラフィーで集積のある7 cm大の左後腹膜腫瘤を認め,カテコラミン・メタネフリン高値であり褐色細胞腫と診断した.ドキサゾシン,プロプラノロールの他,発熱,炎症反応高値に対しナプロキセンを使用した結果,CRP 0.15 mg/d<i>l</i>, IL-6 1.7 pg/m<i>l</i>まで低下した.同時に耐糖能は改善し,インスリン療法を術前に中止し得た.IL-6高値を伴う褐色細胞腫では,ナプロキセンが二次性糖尿病を改善し,高血糖による手術リスクを減少し得ることが示唆された.