著者
熊谷 亮平
出版者
首都大学東京
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2008

次年度以降の「近代建築修復の技術知識基盤の体系化」に向けて、平成20年度の目的は海外先進国における修復の方法論・制度および事例についての概要を把握すること、また国内における近代建築修復の現状を把握することであり、以下の手順により研究を進めた。(1)日本の伝統的建物に関する修復制度の把握、および国内で手に入る文献を用いてフランスやドイツ等欧州の修復制度に関する文献調査を行った。また近代建築修復に関する海外刊行の技術文献の収集整理を行った。(2)国内における近代建築修復事例リストの作成を行った。具体的には、重要文化財指定の建物における修復の有無、また登録文化財や非指定建物を改修専門誌等から抽出し、修復事例のリストを作成した。(3)スペインのバルセロナを対象とし、修復の方法論・保存制度・アーカイブ・教育に関して公的機関に対するインタビュー調査および関連資料収集を行い、その実態を把握した。また、バルセロナにおける修復事例リスト作成及び事例調査(図面採集、現地視察)を実施した。(4)国内における近代建築修復事例調査を行い、その実態と課題を把握した。具体的には、戦前に建設された近代鉄筋コンクリート造建築および近代木造建築再生事例を対象とし、図面採集および設計者に対するインタビュー調査を行った。
著者
宮谷 慶一 松本 直之 熊谷 亮平 権藤 智之 松村 秀一
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.86, no.790, pp.2689-2698, 2021-12-01 (Released:2021-12-01)
参考文献数
16

The purpose of this paper is to clarify the cement suppliers for each construction site during the interwar period when cement consumption increased in Japan. Specifically, the authors picked up and analyzed the cement suppliers at each construction site from the contents of the "Completion Reports", which are the construction records made by Shimizu-gumi during this period. There are 3,186 completion reports in total, of which 1,729 have a description of the cement supplier. These 1,792 cases are summarized in tables and figures by use, structure type, prefectures, year of construction, and total floor space. (See Table1-Table3, Fig.2-Fig.3) The findings are as follows: 1. The Cement suppliers can be classified into four types: "Manufacturing Companies", "Shimizu-gumi itself”,"Merchant" and "Supplied by Client". (See Table4) 2. By region, the percentage of “Shimizu-gumi itself” was high in the Kanto, and the percentage of “ManufacturingCompanies” was high in the Hokuriku. On the other hand, the percentage of “Merchant” was high in Chukyo, Osaka, and Kyushu. 3.By period , the percentage of “Merchants” has increased since the Ⅳ period (1936-) .(See Fig.5-Fig.9) 4. The percentage of “Manufacturing Companies” in each region was almost the same as the shipment percentageset by the regulation. (See Table6 and Table7) However, in the Chukyo, the number of cases of Mikawa, which is closely related to the Shimizu-gumi, was the highest. 5. Since the section handling cement was established at the head office, the cases of “Shimizu-gumi itself” were concentrated in the area under the jurisdiction of the head office, especially in Tokyo. 6. Looking at the breakdown of “Merchants” by region, there are some “Merchants” who have a lot of trades, but since there are many cases of "Others", it is indicated that there were trades with various “Merchants”. (See Table8) 7. Looking at the breakdown of “Supplied by Client", there were almost the same number of governments works and private works, and there were many cases of civil works and industry (See Table9). And there were many cases before 1930, when cement sales control began. (See Table9)
著者
熊谷亮介 安井浩之 吉野邦生
雑誌
第76回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.1, pp.477-478, 2014-03-11

感情には声の高ぶりなど,それぞれを特徴づける韻律的特徴があり,そのような特徴をくみ取ることで人は相手の感情を推察している.しかし,テキストのみで行うコミュニケーションでは,文字以外の情報がないため書き手の感情と読み手の受ける印象にすれ違いが起きるといった問題がある. 本報告では,発話時の韻律的特徴の変化をテキストの書式に反映することで,人が音声から感情を推察するのと同様の効果が得られると仮定し,その表現方法について調査,検討する.具体的には,音声認識の際に韻律的特徴の変化を抽出し,認識されたテキストに変化に対応した装飾・表現を行う.さらに装飾したテキストに対し評価を行い,表現方法の検討を行う.
著者
熊谷 亮平 稲坂 晃義 濱 定史 渡邊 史郎
出版者
一般財団法人 住総研
雑誌
住総研研究論文集 (ISSN:21878188)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.23-34, 2017

木密地域である神楽坂地域では,既存木造建築の改修・用途変更による商業店舗が増加し,来街者の多い住商混在エリアを形成している。これらのリノベーションは建物や環境を維持しながらエリアの活性化に資する可能性を持っている。本研究では特に近年この傾向が顕著な神楽坂上を対象としてエリア特性や建物属性を把握し,その分布や集積の実態を明らかにした。用途変更を含めた木造建築の活発な更新実態,花街エリアである神楽坂下との地域的差異,改修工事における課題や施工方法・体制の一端を示した。また比較対象として木密地域のリノベーションが活発な大阪の中崎町・空堀地区などの分析を行い,用途や分布の傾向などを考察した。
著者
古川 祥子 藤原 和哉 尾本 美代子 村山 友樹 呉 龍梅 笹木 晋 熊谷 亮 五十野 桃子 秋根 大 小林 浩幸 高屋敷 典生 鈴木 浩明 島野 仁 野牛 宏晃
出版者
THE JAPAN DIABETES SOCIETY
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.57, no.12, pp.913-920, 2014

症例は21歳女性.2年前から繰り返す発熱,倦怠感,頭痛,動悸,嘔気が1ヶ月前より増悪し来院.血圧186/133 mmHg,脈拍106/分,体温38.5 ℃,血液検査上HbA1c 8.2 %,血糖356 mg/d<i>l</i>と糖尿病を認め,CRP 40.21 mg/d<i>l</i>, IL-6 100 pg/m<i>l</i>と高値だった.画像上<sup>123</sup>I-MIBGシンチグラフィーで集積のある7 cm大の左後腹膜腫瘤を認め,カテコラミン・メタネフリン高値であり褐色細胞腫と診断した.ドキサゾシン,プロプラノロールの他,発熱,炎症反応高値に対しナプロキセンを使用した結果,CRP 0.15 mg/d<i>l</i>, IL-6 1.7 pg/m<i>l</i>まで低下した.同時に耐糖能は改善し,インスリン療法を術前に中止し得た.IL-6高値を伴う褐色細胞腫では,ナプロキセンが二次性糖尿病を改善し,高血糖による手術リスクを減少し得ることが示唆された.
著者
真鍋 恒博 熊谷 亮平 濱 定史
出版者
東京理科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究では、建築の内外装下地材料および構法を対象とし、主としてわが国の近代から現代に至るまでの変遷を明らかにした。各種出版物、社史、カタログ等の文献調査、および関係者へのヒアリング調査により、各時代に発売された主な建築内外装下地材料・製品に関する情報を収集した。これらの資料を様々な視点、例えば製品の特徴、発売時期、各時代に製品に求められる性能、社会的背景、および各項目の時代的変化、などから分析し、変遷の全体像を把握した。また、これまでに蓄積された多量の関連資料を再整理したが、これは構法変遷史に関する後継研究に有用なものとなるであろう。