著者
加藤 丈博 平松 佑一 種本 翔 服部 暁穂 澳 昂佑 松木 明好 木村 大輔
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.145-150, 2017 (Released:2017-02-28)
参考文献数
34

〔目的〕椎体骨折後の安静臥床により身体機能やADLの獲得が遅延した症例の経過について報告する.〔対象と方法〕第2腰椎椎体骨折を受傷した70代後半の男性1名.約3週間の安静期間を経て離床が許可されたものの,廃用性の筋持久力および全身持久力の低下により歩行自立が困難となったため,運動耐用能の改善を意図した反復立ち上がり練習,下肢エルゴメーター,トレーニングマシンによる運動療法を実施した.〔結果〕筋持久力および全身持久力が改善し,歩行自立が可能となり,退院時には受傷前ADLを獲得した.〔結語〕安静臥床により生じる廃用性症候群は,椎体骨折後のADL改善に寄与する重要な予後不良因子となることが示された.今後は安静臥床期間における筋持久力および全身持久力に対する治療介入の有効性を検討する必要がある.
著者
種本 翔 藤野 雅広 山下 裕之 西本 哲也 兒玉 拓 長尾 光城
雑誌
川崎医療福祉学会誌 = Kawasaki medical welfare journal
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.214-217, 2013

生活習慣病などの改善を目的に実施される運動は,強度や時間の設定次第で,活性酸素種の発生増加を引き起こす.簡便な指標による検討が少ないため,心拍数で強度規定し,酸化ストレス度および抗酸化力の変化について検討した.対象は,運動習慣のある男子学生7名(20.3±2.3歳)とした.漸増負荷での自転車エルゴメータを用いた運動を行い,その後30分の安静を設けた.運動前,60%HRR時,80%HRR時,終了後30分の計4回採血し,酸化ストレス度および抗酸化力を測定した.運動に伴い,d-ROMs testは増加傾向を示した.また,BAP testは運動により有意な増加を認めた.抗酸化力において認められた変化は,酸化-抗酸化の均衡が破綻した状態である可能性が示唆された.一定の運動強度を上回る負荷には注意が必要であることが考えられる.[Purpose] The aim of this study was to examine changes of oxidative stress and antioxidant status during incremental load exercise prescribed by a simple index. [Subjects]Seven students participated in this study. [Method] Subjects performed incremental load exercise on a cycle ergometer. Blood samples were taken at 4 time points: before exercise(Pre), at 60%HRR, 80%HRR, and 30 minutes after exercise, to analyze oxidative stress(d-ROMs) and antioxidant status(BAP). [Results] d-ROMs showed a tendency to increase. BAP were significantly higher in 60%HRR and 80%HRR compared with Pre. [Conclusion] These results suggested that more attention should be paid to load than on constant intensity.