著者
古本 啓志郎 穗刈 治英 島田 正沼
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.367, pp.101-106, 2011-01-13
参考文献数
14

2チャネルステレオ再生信号をイヤホン受聴で再生した頭外音像定位の有効性を確かめるため,開口角及び帯域幅をパラメータとした時のスピーカ受聴とイヤホン受聴の水平・鉛直方向の音像定位精度の有意差検定を行った.その結果,有意差が無かったことより,スピーカ受聴とイヤホン受聴は同等であることが明らかになった.
著者
松田 俊寛 吉田 正尭 穗刈 治英 島田 正治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 = The transactions of the Institute of Electronics, Information and Communication Engineers. A (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.92, no.11, pp.921-924, 2009-11-01
参考文献数
3

耳栓型,イントラコンカ型,耳覆い型の代表的な3種類のイヤホンの体温によるインピーダンス特性と外耳道伝達関数(ECTF)の周波数振幅特性の変動について検討した.その結果,インピーダンスの上昇率は3%以内であり,ECTFのSD(スペクトルひずみ)値は2.0dB以下であった.そして,このSD値と先行研究の結果を比較し,本測定で得られた装着時のECTF変動による水平面の頭外音像定位の精度に与える影響を考察した.
著者
高道 慎之介 穗刈 治英 島田 正治
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 A (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.J94-A, no.6, pp.449-452, 2011-06-01

本論文では,オーディオ帯域相当(100 Hz~15 kHz)での頭部球モデルにおけるHRTFの複素ケプストラム処理による最小位相化の有効性の範囲について理論値と測定値を比較し,同時に測定したHRTFを全零モデルにより近似し,その零点分布からHRTFの最小位相性を検証した.その結果,理論値と測定値の比較によって最小位相化の有効性を検討するとともに,測定したHRTFは影耳となる方位角において非最小位相零点が増加することが明らかになった.
著者
浦中 慎二 穗刈 治英 島田 正治
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 A (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.J94-A, no.6, pp.440-444, 2011-06-01

直線型スピーカアレーにおいてスピーカの逐次切換による実音源移動音と波面合成法を用いた仮想音源の逐次切換による仮想音源移動音の連続性を,受聴試験とIaTD,IaLD,頭部中心位置におけるパワーの時間変化より検討した.受聴試験より,仮想音源間隔をスピーカ間隔よりも狭くすることで受聴位置rightで移動音を連続的に知覚した回答率が向上した.また,IaTD,IaLD,パワーの時間変化と標準偏差から受聴試験結果を評価した.
著者
福永 圭司 穗刈 治英 島田 正治 杉山 精
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 A (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.J94-A, no.3, pp.222-225, 2011-03-01

剛体球-円板モデルによる数値解析と6種類の耳介模型を用いた耳介伝達関数(PRTF)の測定により,耳介形状の影響の少ない音源入射方向について検討を行った.結果として,耳介方位角を耳介傾斜角と同等,また耳介仰角を220°付近とする音源入射方向で耳介形状の影響が少なくなる傾向にあることが示唆された.
著者
波多野 裕 穗刈 治英 島田 正治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.269, pp.43-48, 2007-10-12
被引用文献数
1

DVDや地上波ディジタル放送などにおいて3/2スピーカ配置が推奨されている.しかし3/2スピーカ配置は前方の音像定位に着目したスピーカ配置であり,側方音像定位については困難であることが指摘されている.本研究は3/2スピーカ配置において側方に安定して音像を定位させることを目的としている.本報告ではまずマルチチャネルトランスオーラル技術を用いて音像を再生する伝達関数を導出する.次に側方の定位制御を単純化するためスピーカ数の削減を検討する.このとき安定した側方静止音像定位を得るスピーカ配置を正規化二乗誤差とシステム評価値の両面から検討し,スピーカ数とスピーカ配置の関係を見出した.この条件のもとで受聴評価試験を行い,側方音像定位の有効性を確認した.その結果5chでは前後の誤判定が多く,安定して音像を定位させることは難しいことがわかった.