著者
加藤 雄一 町田 基 立本 英機
出版者
一般社団法人 日本環境化学会
雑誌
環境化学 (ISSN:09172408)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.387-394, 2007-09-25 (Released:2008-10-24)
参考文献数
28
被引用文献数
10 11

Influence of solvent and surface functional groups of adsorbents on the adsorption of dissolved aromatics onto activated carbons was examined using batch experiments at room temperature. Phenol and nitrobenzene were employed as aromatics adsorbates, water and hexane were used as solvents, and oxidized and out-gassed activated carbons were prepared as adsorbents. The oxidation of adsorbent was carried out by warming the carbon in nitric acid to introduce oxygen functional groups, and the out-gassed carbon was obtained by heating the oxidized carbon at 1273 K in helium flow to make oxygen free surface without altering the textural structure. Comparing the adsorption isotherms, the out-gassed activated carbon exhibited higher adsorption capacity than the oxidized counterpart in the aqueous solution, whereas the opposite results were obtained in case of the hexane solution. Though significant decrease in adsorption amount of nitrobenzene was observed switching from aqueous to hexane solution, it was not observed in the phenol adsorption. Based on the experimental results, not only adsorbate-adsorbent interaction but also adsorbent-solvent and adsorbate-solvent interactions were found to play important roles for the aromatics adsorption onto the activated carbons.
著者
立本 英機 天野 佳正 町田 基 相川 正美 藤村 葉子 Dennis GEORGE Sharon BERK 瀧 和夫
出版者
環境技術学会
雑誌
環境技術 (ISSN:03889459)
巻号頁・発行日
vol.36, no.5, pp.357-364, 2007-05-20 (Released:2008-12-25)
参考文献数
15
被引用文献数
1 1

本研究では, 湖沼の底泥から溶出する栄養塩濃度を加圧浮上分離 (DAF), MgO散布およびこれらを併用したハイブリッド処理によって抑制することで湖水のTN/TP比制御を試みた. 各底泥処理によるアオコの抑制効果を, TN/TP比とアオコの増殖量を表わすモデルによって検証し, 底泥処理実験の妥当性について検討した. その結果, DAF処理は窒素に対して抑制効果が高く湖水のTN/TP比を減少, MgO散布処理はリンの抑制に対して効果がありTN/TP比を増加, また, DAF処理とMgO散布処理を併用したハイブリッド処理は底泥から溶出する窒素およびリンの濃度を高い割合で抑制でき, 特にリンの抑制が顕著であることからTN/TP比を増加させる効果があることが示された. 各底泥処理を施したときのTN/TP比とアオコの増殖量の関係は, 既存のモデルと高い整合性を示した. 各底泥処理によって湖水のTN/TP比を制御することができるとともに, Chl.a濃度を高い割合で抑制できることがわかった. このことから, 各底泥処理方法は, 湖水のTN/TP比を制御できるという観点から湖沼の富栄養化対策の一手法として期待できる.
著者
ナスルツラフ ニザール 立本 英機 三沢 彰
出版者
公益社団法人 大気環境学会
雑誌
大気環境学会誌 (ISSN:13414178)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.157-168, 1995-05-10 (Released:2011-11-08)
参考文献数
21
被引用文献数
1

自動車走行に伴って発生する粉塵が道路構造の違いや沿道植栽の有無によってどのような挙動を示すかを明らかにするために, 常磐自動車道および国道16号線に接した半地下構造, トンネル付近, 平坦構造, 盛土構造, 堀割構造, 高架構造および切土構造を選んで, それらの場所の土壌中重金属含有量の変化を調べた。その結果, 次のことが明かになった。1) 全体的な傾向として, 沿道土壌中の重金属含有量の変化は, 道路からの距離が離れるにしたがって金属含有量の減少がみられた。道路端又は遮音壁から7m以上および16m以下でみると, Zn, Pb, Cuおよび酸可溶性Feの含有量はトンネル付近, 半地下, 堀割, 高架, 盛土および切土構造の場合よりも平坦構造の場合の方が高い値を示した。酸可溶性Ca含有量は盛土構造で, Mn含有量は切土構造で最も高い値を示した。2) 沿道植栽の効果については, 樹林地中のPb含有量は無林地中のそれより多かった。また, Znおよび酸可溶性Ca含有量は, 無林地の方が多かった。酸可溶性CaおよびZnの道路からの距離による含有量の変化をみると, 樹林地の方が急激に減少した。特に酸可溶性Caは道路から3mまではその傾向が著しかった。3) Zn, Pbおよび酸可溶性Caは自動車走行により影響を受ける可能性がある。一方, Cu, Mnおよび酸可溶性Feは変化が少なく, むしろ, 地域に固有な土壌特性を反映しているといえる。4) 道路構造の違い, 道路の向き, 樹林の有無および風向等によって, 自動車走行に伴う重金属の拡散および沈着の度合が大きく異なり, 更に基礎データの積み重ねが必要であると思われる。