著者
石川 達也 竹内 大介 玉山(加藤) 葉 倉島 彰
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
pp.20-00075, (Released:2021-06-11)
参考文献数
27
被引用文献数
3

三重県早田浦の磯焼け海域で2010年2月から2019年12月にガンガゼ類の除去実験を行った。ガンガゼ類はダイバーおよび船舶からの捕獲により除去した。磯焼け海域に除去区を3区設け,海藻被度とウニ類,サザエ,アワビ類の密度を調査した。継続的な除去でガンガゼ類密度が低く保った結果,除去区の海藻被度が増加した。また,除去前と比較してガンガゼ類以外のムラサキウニやナガウニ類等のウニ類密度が増加し,ウニ類の種数増加が認められた。除去前に確認されなかったサザエやアワビ類が,海藻被度が増加した後に確認された。
著者
竹内 大介 朴 世訓 岡田 健史 松浦 龍一 小坂田 耕太郎
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子論文集 (ISSN:03862186)
巻号頁・発行日
vol.64, no.10, pp.597-606, 2007
被引用文献数
2

シクロオレフィンポリマーは高い透明性,耐熱性を有することから注目を集めている.本報では,パラジウムをはじめとする後期遷移金属錯体触媒を用いると,ジエンの環化重合が円滑に進行し,主鎖に環構造をもつ高分子生成物の立体構造を精密に制御できることを見いだした.パラジウム錯体触媒によってさまざまな官能基を有するジエンの環化重合が進行した.得られたポリマーの 1,2-二置換シクロペンタン骨格は定量的にトランスに制御されていた.ジエンとエチレンや &alpha;-オレフィンとの共重合も可能であり,この場合にも環化は定量的におきた.7-位にアルキル鎖を有する 1,6-ヘプタジエンの反応に同様のパラジウム錯体触媒を用いると,新しい環化&mdash;チェーンウォーキング型の重合が進行し,トランス-1,2-二置換シクロペンタン環がオリゴエチレン鎖で連結されたポリマーが得られた.鉄錯体やコバルト錯体を用いると,無置換の1,6-ジエンの環化重合が進行し,1,2-二置換シクロペンタン骨格を有するポリマーが得られた.鉄錯体を用いた場合には五員環の立体構造はシス,コバルト錯体を用いた場合にはトランスに制御されている.<br>
著者
竹内 大介
出版者
東京工業大学
雑誌
若手研究(A)
巻号頁・発行日
2010-04-01

本研究ではジイミンパラジウム錯体によるオレフィン類の異性化重合を利用し、官能基の密度、分布が完全に制御された高分子の合成と、その機能の探索を目指して研究を行った。ジイミンパラジウム錯体により非共役ジエンやトリエン、アルキルシクロペンテンやアルケニルシクロヘキサンなどの異性化重合が選択的に進行し、立体構造の制御された五員環や六員環を含む高分子が得られることを見いだした。モノマーのアルキル基の長さを変えることにより、高分子中の環構造の密度や分布を完全に制御することも可能である。トリエンの重合では官能基が一定間隔で交互にならんだ高分子が得られた。1,3-トランス五員環を含む高分子は液晶性を示した。