著者
竹尾 忠一 田代 正樹 今村 義成
出版者
Japanese Society of Tea Science and Technology
雑誌
茶業研究報告 (ISSN:03666190)
巻号頁・発行日
vol.1984, no.60, pp.43-45, 1984-12-01 (Released:2009-07-31)
参考文献数
5
被引用文献数
1

半発酵茶の製造にさいして,その第1操作である萎凋に当たっては,茶葉を35~40℃程度に加温しつつ1時間萎凋したのち,5~6時間室温萎凋し,この間軽く茶葉を撹梓することが,半発酵茶の香味形成上重要である。また,加温萎凋の時間の長短は,茶の香味を変化させることとなり,この調節により香味を異にする茶が造られる。半発酵茶加工に適した茶品種として,べにふじ,ただにしき,いずみ,青心大方があげられ,いずれからも芳香性と品種特有の香りを持つ半発酵茶が造られた。

1 0 0 0 OA 包種茶史

著者
竹尾 忠一
出版者
Japanese Society of Tea Science and Technology
雑誌
茶業研究報告 (ISSN:03666190)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.91, pp.1-4, 2001-07-31 (Released:2009-07-31)
参考文献数
11
著者
桑原 穆夫 竹尾 忠一 佐藤 哲哉 古畑 哲
出版者
Japanese Society of Tea Science and Technology
雑誌
茶業研究報告 (ISSN:03666190)
巻号頁・発行日
vol.1959, no.13, pp.69-73, 1959-04-30 (Released:2009-07-31)
参考文献数
4

紅茶の製造上欠くことのできない萎凋操作の条件中,空気の温湿度を取り上げ,その高低に基づく影響を,恒温恒湿器を使つて試験した。その結果,予備的試験ではあるが,温湿度の変化に対応する萎凋の速度・所要時間・茶葉温ならびに品質的に許される範囲,傾向などについて一端をうがうことはできた。終りに,測定に協力していただいた当室の渡辺,川上両氏に感謝する。
著者
竹尾 忠一
出版者
Japanese Society of Tea Science and Technology
雑誌
茶業研究報告 (ISSN:03666190)
巻号頁・発行日
vol.1984, no.60, pp.50-53, 1984-12-01 (Released:2009-07-31)
参考文献数
7
被引用文献数
1 2

中国,福建省,台湾省産の鳥龍茶の香気成分組成をしらべた。福建省産の色種,水仙,鉄観音,黄金桂および台湾省産木柵と,台湾省産文山,北埔との間には,香気成分組成に特異的な差が認められた。即ち前者は発酵度の軽度の包種茶系の茶でこれにはジャスミンラクトン,インドールが検出されたが,後者の発酵度の進んだ鳥龍茶系の茶には両成分が検出されなかった。また発酵度の進んだ茶は発酵度の進んでない茶よりも,高沸点部の芳香成分量が多かった。次に半発酵茶は焙焼香気成分である。1-エチルピロールー2-アルデヒドが香気中に検出され,火香の強い茶ほどその量は多かった。産地別の茶香気中のテルペンアルコール組成をみると色種,水仙,鉄観音はリナロールの組成比が高く,台湾省の文山,北埔はゲラニオールが多く含まれていて,それぞれ種間特性を示していた。最後に本試験に用いた茶は,三井農林株式会社,株式会社伊藤園より恵賜されたことを記して謝意に代える。
著者
桑原 穆夫 竹尾 忠一
出版者
Japanese Society of Tea Science and Technology
雑誌
茶業研究報告 (ISSN:03666190)
巻号頁・発行日
vol.1966, no.26, pp.48-57, 1966-11-30 (Released:2009-07-31)
参考文献数
3

1,揉ねん室の温度を15℃から45℃の間を5℃間隔に変え,茶葉温度を室温に近い温度に保ちつつ揉ねんし,その製品の品質を比較した。2,茶葉の発酵力は,揉ねん中葉温が44℃になった場合に低下がみられた。3,茶葉のタンニンは,揉ねん室温度が低い場合は揉ねん中の酸化の進み方は少ないが,これを25℃で発酵させた場合には正常に酸化した。25℃,35℃区は揉ねん中にもタンニンの酸化は進み,その後の発酵中の酸化も正常であった。45℃区は揉ねん中にタンニンの不溶化が進み,発酵力の低下もともなって,発酵2時間後の酸化,重合型タンニン量は少なかった。このため,製品の水色も15,25,35℃間ではあまり差がなかったが,45℃区は色調はさえずうすかった。4,揉ねん室温度によって発酵適期に至る発酵時間は変化し,揉ねん15℃,20℃では180分前後,25℃区:120分,30℃区,35℃区:60~90分と短縮するが,40℃区は若干長くなり,45℃区では発酵120分たっても十分に発酵が進まなかった。5,茶の品質は,揉ねん室温度15℃,20℃,25℃,30℃,35℃区間でみると,茶期による差が若干あるが,この区間ではあまり大きな品質の差がなかったが,40℃区45℃区になると品質は前5区よりも低下し,特に45℃区の品質は劣っていた。しかし,15℃区では揉ねん中茶葉の粘性が減り,揉ねん操作が円滑にゆかない欠陥がみられ,これらの点を考えると,揉ねん中に茶葉温度が20~35℃程度に維持されてることが望ましいように考えられた。
著者
竹尾 忠一
出版者
Japanese Society of Tea Science and Technology
雑誌
茶業研究報告 (ISSN:03666190)
巻号頁・発行日
vol.1975, no.42, pp.1-13, 1975-02-15 (Released:2009-07-31)
参考文献数
143
著者
川村 淳 竹尾 忠一
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.36, no.6, pp.463-467, 1989-06-15 (Released:2009-04-21)
参考文献数
14
被引用文献数
8 31

茶葉より抽出したカテキン遊離型画分〔(-)-エピカテキン, (-)-エピガロカテキン〕である粗カテキンA分画(CF-Aと略),エステル型画分〔(-)-エピカテキンガレート,(-)-エピガロカテキンガレート〕である粗カテキンB分画(CF-Bと略),それらの混合物であるCF-mix,および(-)-エピガロカテキンガレート(EGCg)のS. mutansに対する抗菌作用について試験し,グルコン酸クロルヘキシジンの抗菌作用と比較した.またう蝕予防剤としての利用を前提としたいくつかの試験を行ない,次の結果を得た. (1) 生育阻害最低濃度はCF-Aで400~100μg/ml,CF-Bで100~50μg/ml,CF-mixで200~100μg/ml, EGCgで100-50μg/ml,およびグルコン酸クロルヘキシジンで1.6μg/ml以下であった.(2) 殺菌効果の検定では初菌数3.3×107にCF-Bを(31)川村・竹尾:茶葉カテキンの抗菌作用4675.0×103, 1.0×104μg/mlずつの添加で5.5×105, 3.6×104, 1.0×102にそれぞれ減少し, グルコン酸クロルヘキシジンでは初菌数3.3×107に2.0×103μg/ml添加で3.0×10 3に減少した.(3) カテキンの抗菌作用におよぼす歯磨剤主要成分の影響はラウリル硫酸ナトリウムおよびD-ソルビトーでは影響はみられず,安息香酸ナトリウムは僅かに相乗作用がみられた.