著者
小野 美咲 今井 克己 安武 健一郎 渡邉 啓子 岩本 昌子 大和 孝子 竹嶋 美夏子 森口 里利子 上野 宏美 中野 修治
出版者
公益社団法人 日本栄養士会
雑誌
日本栄養士会雑誌 (ISSN:00136492)
巻号頁・発行日
vol.64, no.11, pp.641-648, 2021 (Released:2021-11-01)
参考文献数
8

大学付属医療施設を利用した参加型臨床実習が受講者の意識に及ぼす影響について、独自に設定した科目の到達目標に対する教育効果評価指標を用い評価した。実習内容は大学付属医療施設に通院している患者の栄養支援の見学と、グループワークによる担当症例の検討、および栄養支援計画の立案とした。効果の検討はアンケートにより行った。アンケートは本科目受講により認識の変化が期待される管理栄養士の能力としてのコミュニケーションおよび専門的知識に関する10項目とし、項目に対する受講者の重要性の認識の変化と、自己評価の変化を把握した。受講前後および栄養支援見学後に実施したアンケートの継時変化をFriedman検定にて解析した。重要性の認識では、身だしなみ、態度、対話力、想像力、記録力、聴き取り力、意思疎通力、調理および食材の知識の8項目が受講により上昇傾向を示した(全てp <0.05)。栄養学の専門的知識の重要度は変化しなかった(p=0.064)。自己評価では10項目全て上昇傾向に変化した(p <0.001)。大学付属医療施設を利用した参加型臨床実習は、コミュニケーションおよび専門的知識に対する重要性の認識の強化および自信の向上に貢献する可能性がある。
著者
中野 修治 竹嶋 美夏子 小野 美咲
出版者
中村学園大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

フィトケミカルの抗癌作用の分子機序を異なったサブタイプの乳癌細胞で解析するとともに、一次予防へ応用可能かどうかをEMS誘導乳癌モデルラットで検討した。用いたフィトケミカルはイソフラボン、クルクミン、リコペン、ノビレチン、レスベラトロールで、すべて乳癌細胞に抗癌作用を示した。その分子機序はフィトケミカルによって異なるが、増殖とアポトーシスに関連する細胞内シグナル蛋白に働き、増殖抑制とアポトーシス誘導により発揮されることが判明した。動物モデルではイソフラボンやリコペンは乳癌発症を抑制することがわかった。フィトケミカルは乳癌の一次予防に効果があるだけでなく、癌の増殖・進展を抑制する可能性がある。