- 著者
-
青峰 正裕
大和 孝子
- 出版者
- Japanese Heart Rhythm Society
- 雑誌
- 心電図 (ISSN:02851660)
- 巻号頁・発行日
- vol.22, no.1, pp.10-15, 2002-01-25 (Released:2010-09-09)
- 参考文献数
- 20
- 被引用文献数
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4
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女子大学生 (252名) を対象として, 身体の各部に冷えを訴える冷え症者 (冷え症群) と, 冷えを自覚しない正常者 (正常群) の身体的特徴と標準肢誘導心電図を比較した.冷え症群では体脂肪量, 皮下脂肪厚, 体脂肪率は正常群と比べて, いずれも有意に低下しており, 体脂肪が低い傾向にあった.また, 除脂肪体重も正常群に比し有意に低く, このことは身体を構成する筋肉量も少ないことを示唆しており, したがって体重, BMIも低く, 冷え症群は痩せ型の傾向があった.心電図波形を正常群と冷え症群で比較した場合, QT時間とR-R間隔を除いて他の心電図波形には有意な差は観察されなかったが, 両ファクターはともに冷え症者で延長していた.また, 脈拍数は冷え症群では有意に低下しており, R-R間隔の延長がQT時間の延長を招き, それが冷え症群における心拍数の減少を引き起こしていることが考えられ, QT時間を先行するR-R間隔で補正したQTcを両群間で比較すると, 有意差は消失した.このように冷え症者は一般に痩せ型であり, 徐脈傾向で, 心電図ではQT時間とR-R間隔の延長が観察される傾向があることが明らかになった.最後に冷え症と自律神経障害との関係を論じた.