著者
笠井 憲雪 打越 綾子 越本 知大 加隈 良枝
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01

我が国では動物実験について実施者側から一般市民への情報発信が極めて少なく、このため一般市民の動物実験への理解が乏しいと考えられる。そこで本研究では動物実験について広く社会に受け入れられる発信方法について研究し、試行し、その基盤の構築について提言する。具体的には次の4つのサブテーマを目的とする。1. 一般市民の動物実験に関する意識調査の実施と継続調査の基盤確立、2. 高校生物教育の動物を用いた学習の適切な支援方法の提言と支援組織の構築、3. インターネットによる動物実験情報発信基盤の構築、4. 動物実験に関する情報発信における倫理に関する研究。
著者
喜田 宏 清水 悠紀臣 岡部 達二 関川 賢二 見上 彪 笠井 憲雪 小野 悦郎 大塚 治城 喜田 宏
出版者
北海道大学
雑誌
試験研究(A)
巻号頁・発行日
1993

1.オーエスキー病ウイルス(ADV)の前初期(IE)蛋白IE180の機能ドメインを解析した結果、初期および後期遺伝子の転写活性化に関与する領域、IE遺伝子の転写抑制に関与する領域および核への移行シグナルが明らかになった。2. ADVの初期蛋白EP0が感染細胞の核に局在し、IE、初期TKおよび後期gX遺伝子の転写を増強することが明らかになった。この転写増強作用には、EP0分子のN末端に存在するRINGfinger領域が必須であり、酸性アミノ酸を多く含む領域も関与することが判明した。3.蛋白工学手法によって、ADVのIE遺伝子の転写抑制因子を作出した。これら因子の転写調節作用を解析し、以下の成績を得た。1) IE180のDNA結合ドメインとヒト単純ヘルペスウイルスのトランスアクチベータ-VP16の結合ドメインとのキメラ蛋白は、ADVのIE遺伝子の転写を抑制した。このキメラ蛋白はウイルスの増殖を著しく阻害した。2) IE180およびEP0のdominant-negativemutantはウイルスの増殖を抑制した。4.ウイルスの増殖を最も強く抑制した3-1)キメラ蛋白遺伝子をC57BL/6マウス受精卵にマイクロインジェクション法によって導入した。1系統のF1マウスに本遺伝子が導入されたことを確認した。現在、このF1マウスを用いてトランスジェニックマウスの系統を確立しつつある。今後、系統化されたマウスが本遺伝子を発現していることを確認してウイルス感染実験を行う予定である。