著者
秋山 晶則 篠宮 雄二 森下 徹
出版者
岐阜聖徳学園大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

本研究は、災害と地域の関係性を探る一環として、木曽三川流域での「宝暦治水」事業(1754-55年)を中心に検討を行ったものである。関連史料の収集・分析を通して、大規模普請の措定・実施には、地域社会の利害と共同性が深く関わっていたことを明らかにするとともに、労働編成や技術面での検討課題を整理した。
著者
齋藤 善之 鎌谷 かおる 篠宮 雄二
出版者
東北学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

近世の三陸地域に大規模家経営体が卓越したのは、その力量によって大自然(山野河海)の豊富な天然資源を開発しえたからであり、とりわけ両者の資源を連関させることで相互の開発を促進するしくみを創出保持できたからである。そうした大規模家経営体は辺境な地理的環境にありながら海運業や遠洋漁業をとおして広い地域との交流関係をもち、所有船などの輸送手段を介して遠隔地とも直接通交する力をもっていた。それにより都市との間の物流を実現したのみならず、最新の技術や文化を地域社会にもたらす窓口になり、三陸地域社会の自立と発展をもたらす原動力となっていたのである。