著者
曽山 小織 吉田 和枝 米田 昌代
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.1_139-1_150, 2015

子育てする母親とそれを支援する祖父母との間には,子育て方法に関する世代間相違があると指摘されている。本研究の目的は,祖母の子育て経験と孫育てに対する意識との関連を明らかにすることである。調査方法は無記名自記式質問紙調査であった。妊婦の母親651名に調査票を配布して,有効回答数は180名であった。分析は単純集計とχ<sup>2</sup>検定を用いた。対象の平均年齢は57.1±5.5歳で,祖母の子育て経験と孫育てに対する意識との間に関連が認められたのは,おしゃぶりの使用,沐浴後の湯冷ましの使用,離乳食を大人が噛み砕いて子どもに与えること,果汁開始や断乳の時期,三歳児神話,または性別役割分業意識であった。赤ちゃんが泣きやまないときの粉ミルクの使用に対する意識と祖母の子育て経験との間には関連が認められなかったが,初孫か初孫以外かとの間には関連が認められ,孫の誕生が粉ミルク使用に対する意識を変化すると示唆される。
著者
山口 哲央 足立 昌司 溝上 智英子 城田 晶子 米田 昌代 岩倉 研二 二階堂 任
出版者
日本静脈経腸栄養学会
雑誌
静脈経腸栄養 (ISSN:13444980)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.661-666, 2013 (Released:2013-04-24)
参考文献数
16

【目的】ビタミン群の欠乏は認知機能障害の原因となることがある。認知機能障害をともなう低栄養が疑われた患者においてニコチン酸濃度を中心に種々の栄養指標を測定して、解析を行った。【対象と方法】平成21年6月から平成23年8月まで当院を受診した患者55名を対象とした。調査項目は、年齢、性別、身長、体重、BMI、血清総蛋白濃度、血清アルブミン濃度、白血球数、リンパ球数、血清ビタミンB1濃度、血清ビタミンB12濃度、血清ニコチン酸濃度、飲酒歴の有無などであった。【結果】ニコチン酸濃度は、低栄養患者のアルブミン濃度、総蛋白濃度、小野寺の予後栄養指数と相関関係を示したが (p<0.05) 、他のビタミン濃度はそれらと相関関係を示さなかった。【結論】ニコチン酸欠乏はペラグラ脳症で知られる認知症類似の症状をきたすことが知られている。認知機能障害をともなう低栄養患者のなかに、欠乏症が潜在している可能性が示唆された。低栄養患者に対してビタミンを投与する際はニコチン酸の併用が必要と考えられた。
著者
米田 昌代 吉田 和枝 曽山 小織 島田 啓子
出版者
石川県立看護大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011-04-28

この研究の目的は、周産期の死(死産・新生児死亡)を経験した母親・家族を社会全体で支えるシステムを開発することである。今回、全国の主要な医療機関(産科・NICU)、行政(県・市区町村)、赤ちゃんを亡くした方の自助グループに対して各々の退院後のグリーフケアの現状と関係機関の地域連携の現状・課題・新たな提案について調査を実施し、その結果をもとに連携システムのモデル案を作成した。その後、母性看護学・助産学の研究者から意見を聴取し、さらに吟味を重ね、周産期のグリーフケアにおける地域連携システムモデル案Ⅰ案を完成するに至った。