著者
小豆畑 達哉 飯場 正紀 井上 波彦 緑川 光正
出版者
公益社団法人 日本地震工学会
雑誌
日本地震工学会論文集
巻号頁・発行日
vol.6, no.4, pp.19-37, 2006

本報告は、2004年新潟県中越地震の被災地域に建設されていた免震建築物の対地震性能について、建築物利用者に対し行ったアンケート調査結果を取りまとめたものである。アンケート項目は、室内の状況、揺れの感じ方、免震建築物に対する利用者の評価等に関するものである。また、室内の状況等について、免震建築物と周辺の建築物で比較できるようにしている。震度6強地域において、免震建築物は、その室内で一部の利用者が地震時に船酔いにあったような不快な感じを受けたり、ごく一部のすわりの悪い積載物が転倒したりしたが、免震構造の性能を十分に発揮し、その性能は一般の利用者からも高く評価されたことが明らかとなった。
著者
緑川 光正 麻里 哲広 小豆畑 達也 石原 直 岡崎 太一郎
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

鉛直荷重は建築構造物の耐震性能を損なうものと一般に考えられている。柱中間部浮き上がり(CMU)機構を有するロッキング架構は,鉛直荷重を活用して地震応答低減を図る構造システムである。先行研究では,浮き上がりに伴って容易に降伏するベースプレートを柱脚部に設置したロッキング架構の地震応答低減効果や地震時挙動を明らかにした。本研究では,今までの研究成果に基づき,CMU機構を有するロッキング架構(CMU架構)の耐震性能を明らかにすることを目的として,簡易解析モデルによるCMU架構の基本力学特性,CMU機構(荷重伝達+エネルギー吸収)の静加力実験に基づく性能評価,CMU架構の地震応答特性を解明する。
著者
石原 直 小豆畑 達哉 緑川 光正
出版者
独立行政法人建築研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

研究代表者らは基部で浮き上がりを許容した架構を対象に検討を行ってきたが、適用しやすい形状等に制約があった。本研究では「浮き上がり活用型制振架構」の適用範囲を拡大するべく、浮き上がり位置を高さ方向に調整した場合や、比較的ずんぐりとした建築物に適用した場合、また多スパンに適用した場合について、解析や振動台実験を通じてそれらの基礎的な振動特性と負荷低減効果を明らかにした。
著者
デ グズマン フィリップ 緑川 光正 麻里 哲広 石山 祐二
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会構造系論文集 (ISSN:13404202)
巻号頁・発行日
vol.71, no.607, pp.73-80, 2006

In current seismic design practice, the design yield strength of a structure is typically obtained through the use of strength reduction factor that reduces elastic strength demand to design levels. The strength reduction factor due to the inelastic behavior of structure is usually formulated in terms of target maximum ductility. This conventional approach fails to consider cumulative damage that occurs under cyclic loading. In this study, damage-based strength reduction factor was evaluated from the strength demands computed considering cumulative damage and different site conditions. The results indicate that the spectral shape of damage-based strength reduction factor has similarity with the conventional ductility-based reduction factor. An equivalent limit ductility ratio as a certain percentage of the monotonic ductility capacity may therefore also be used. This reduction depends on the monotonic ductility capacity and while it is not significantly affected by the natural period of the structure, it should be carefully evaluated in the case of soft soil site and where the natural period of the structure is close to the predominant period of ground motion. Simple expressions for estimating the damage-based strength reduction factor are also proposed.