著者
羽佐田 紘之 長谷川 大輔 本間 裕大 佐野 可寸志 大口 敬
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.11, pp.22-00347, 2023 (Released:2023-11-20)
参考文献数
28

目的地として訪問するだけの魅力を有する施設は,その整備効果を多角的に検証することが望まれている.本研究は,訪問に費やす移動費用を表すトラベルコストに基づいて,訪問移動が生じるのに必要な各施設の効用値や消費者余剰を算出し,目的地となる施設自体が有する価値を評価する手法を提案する.同時に,嗜好の異質性を考慮し,効用値が共通であるセグメントへの訪問者の分類も行う.ETC2.0データから構築した茨城県内の道の駅への訪問移動データへと適用し,訪問数は少ないものの有する価値の大きい道の駅の存在や,道の駅の魅力度向上に寄与する機能を明らかにした.提案手法は,inverse shortest paths problemモデルにより代替施設との競合関係の考慮が可能な新たなるトラベルコスト法と位置付けられる.