- 著者
-
羽方 大貴
門脇 正史
諸澤 崇裕
杉山 昌典
- 出版者
- 日本哺乳類学会
- 雑誌
- 哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
- 巻号頁・発行日
- vol.60, no.1, pp.67-74, 2020 (Released:2020-02-14)
- 参考文献数
- 33
2014年5月から10月まで,長野県東部のカラマツ人工林に架設された297個の巣箱において,休息するヤマネGlirulus japonicusを捕獲し,空間明示標識再捕モデルにより生息密度を推定した.オス37個体,メス34個体,合計71個体のヤマネを個体識別し,再捕獲個体数はオス5個体,メス10個体であった.生息密度は雌雄全体で1.93±0.35個体/ha(平均値±SD),オス0.65±0.25個体/ha(平均値±SD),メス3.32±1.27個体/ha(平均値±SD)と推定され,メスの方が高かった.一方,推定された行動圏サイズは雌雄全体で3.42 ha,オス3.96 ha,メス0.98 haと推定され,オスの方がメスよりも大きかった.