著者
石野 友子 北川 知佳 田中 貴子 中ノ瀬 八重 與座 嘉康 田所 杏平 三川 浩太郎 千住 秀明
雑誌
長崎大学医学部保健学科紀要 = Bulletin of Nagasaki University School of Health Sciences (ISSN:09160841)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.1-5, 2003-06

本研究の目的は,慢性呼吸器疾患患者に対するADL指導の有用性を検討することである.対象は慢性呼吸器疾患患者(12名)と高齢者(9名)で,洗濯物を干す動作を上肢挙上位と非挙上位にて行い,異なる作業方法が呼吸循環応答と自覚症へ与える影響を呼気ガス分析,Borg scaleを用いて検討した.結果,呼吸器疾患患者では分時換気量,体重あたりの酸素摂取量,Dyspnea index,上肢の疲労感において上肢挙上位が有意に高かった.一方高齢者では動作間の有意差は認められなかった.このことから呼吸器疾患の特異性が示唆され,ADL指導での工夫は有用であった.
著者
三村 孝俊 嶋田 かをる 多久島 寛孝 與座 嘉康 山鹿 敏臣 高橋 徹
出版者
熊本保健科学大学
雑誌
保健科学研究誌 (ISSN:13487043)
巻号頁・発行日
no.6, pp.15-22, 2009-03-31

熊本保健科学大学では2010年より「敷地内全面禁煙」を実行することを決定し,目標実現のために平成20年度にプロジェクトチームが発足している。その行動支援として現在の状況を把握することが重要であると考え,学生の喫煙に対する実態調査を行なった。調査の内容は [1]回答者の属性,[2]喫煙の状況,[3]喫煙経験と今後の禁煙意向,[4]たばこに対する態度,[5]日本看護協会の「たばこ対策」の認知と賛同意向,の5項目に大別して行なった。その結果,全学生の喫煙率は8.3%であった。また喫煙経験者のはじめての喫煙経験は10〜15歳と低年齢から始まっているが大学に入学してからも喫煙を始める機会があり,大学での友人や周囲の影響が大きいことが判明した。彼らは喫煙行動の理由として緊張の緩和や気分転換をあげており,さらに酒席の機会も喫煙行動を促している。一方,喫煙者の禁煙に関する関心は低くない。禁煙の理由として「健康」,「たばこ代」そして「医療従事者としての自覚」がある。喫煙による健康被害として呼吸器や循環器疾患については認知されていた。そして,「たばこ」について知りたい情報としては「受動喫煙による疾病」と「禁煙したい人への支援組織」が多かった。なお,非喫煙者に「喫煙問題に対する対策について関心がない」という者が少なからずおり,禁煙プロジェクトチームとしては無関心層の啓蒙,具体的な禁煙支援の情報を伝えていかなければならない。