著者
芥川 真一 笠原 敏志
出版者
Japanese Society for Engineering Education
雑誌
工学教育 (ISSN:13412167)
巻号頁・発行日
vol.48, no.5, pp.26-32, 2000
被引用文献数
2 2

自然現象の数理モデルを計算機によってシミュレーションする手法として有限要素法が発展し,現在では科学技術計算の根幹を支える手法のひとつとしてその地位を確立している.航空機の設計に初めて用いられた有限要素法は,既に半世紀ほどの開発の歴史を経て現代に至っており,その最先端技術には目を見張るものがある.一方,大学などの専門教育課程においては学部3年から大学院にかけて有限要素法を学習するカリキュラムが多く見られるが,初めて有限要素法に取り組もうとする学生は,半世紀前の学生と同様に,変分原理,仮想仕事の原理,発散定理などの難解な概念,あるいは偏微分方程式,積分方程式などの数学的表現と格闘することになる.多くの場合,これらの概念を学ぶ事と,実際の問題を解くプロセスとを関連付ける事が困難であるために,初期の段階で学習意欲が低下したり,実際に計算を正しく行う事が出来るようになった段階でも,力学問題における応用力に欠けている場合もある.本論文は,これらの状況を勘案し,「物体に荷重が作用したときに何がおこるのか?」という極めて明快な課題に対して,リアルタイムに解を求め,その結果を即時にコンピュータのスクリーンに表示できるように作成した有限要素法解析プログラムについて,その適用性と可能性を考察したものである.
著者
櫻井 春輔 清水 則一 芥川 真一 吉田 秀典 佐藤 稔紀 山地 宏志
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F (ISSN:18806074)
巻号頁・発行日
vol.62, no.4, pp.662-673, 2006 (Released:2006-12-20)
参考文献数
25
被引用文献数
1

超大深度地下開発のアプローチとなる超大深度立坑は,その重要性を再認識されつつある.しかし,国内石炭産業の縮小に伴い,深度1,000m級の立坑はほぼ20年以上施工されていない.筆者らは超大深度立坑技術の継承と,定量的な立坑設計技術の確立を目的として,過去に施工された超大深度立坑の技術文献調査,およびかつて施工に従事された技術者からの聞き取り調査を実施し,立坑工事において発生する蓋然性の高い崩壊形態を調査した.その結果,立坑における崩壊のほとんどは高抜けと異常地圧による覆工破損の二つに分類されることが明らかとなった.さらに,その発生状況を検証したところ,この二つの現象は同じ原因により発生するものと判断された.