著者
増成 友宏 清水 則一
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F (ISSN:18806074)
巻号頁・発行日
vol.63, no.4, pp.437-447, 2007 (Released:2007-10-19)
参考文献数
21
被引用文献数
4 4

GPS(Global Positioning System)による変位計測の信頼性を向上させるためには,計測結果から真の変位と計測に混入する誤差との識別を行い,誤差を補正することが重要である.本研究では,GPS変位計測における誤差要因のうち,最も影響の大きいと考えられる気象条件による大気圏遅延について,その補正方法を検討し,気象補正が可能な基線解析プログラムを開発した.そして,実際の計測結果に適用しその妥当性を検証した.
著者
有井 賢次 渡邊 学歩 武智 国加 清水 則一
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.6, pp.23-00002, 2023 (Released:2023-06-20)
参考文献数
22
被引用文献数
1

本研究は,既存橋梁の安全監視へのGNSS (Global Navigation Satellite System)による変位計測の適用性を明らかにすることを目的に,センサーの設置方法の工夫,長期計測の安定性,変位計測精度などを調査し,GNSS変位計測が橋梁の複雑な変位挙動把握の有効な手段になり得る可能性を考察するものである.本稿では,スタティック測位方式で取得した3次元変位データと種々のモニタリングデータとの比較により,載荷荷重に対する橋梁のたわみおよび温度変化に起因する比較的長期かつ周期的な三次元変形挙動に対して,必要な精度で計測可能であることを示すとともに,構造解析や計測データの解析結果に基づき,長期および短期の変位挙動把握の可能性に関する検討結果を報告する.
著者
小室 隆 赤松 良久 山口 皓平 プトゥ エディ ヤスティカ 清水 則一 二瓶 泰雄
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
E-journal GEO (ISSN:18808107)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.271-287, 2019 (Released:2019-07-03)
参考文献数
29
被引用文献数
2

平成29年7月5日に発生した九州北部豪雨により,福岡県朝倉市に点在する溜池では決壊や一部決壊が生じた.それらの溜池を対象に災害後に国土地理院によって撮影された空中写真から15箇所の溜池を選び,現地調査を行った.また陸域観測技術衛星2号「だいち2号」(ALOS-2)に搭載されているLバンド合成開口レーダ(PALSAR-2)により観測された災害前後の地表面データを用いて,土砂堆積などにより地表面に変化が生じた溜池の抽出を行った.調査対象とした溜池のうち,5ヶ所の溜池で決壊・一部決壊を確認した.決壊・一部決壊が生じていた溜池以外では,決壊までは到達していないものの,溜池上流部において土砂の流入・堆積を確認した.PALSAR-2によって得られた地表面データを解析したところ,5,000 m2以上の面積の大きい溜池では土砂や流木の堆積による変化を捉えることが出来た.一方,山間地域に築造された小さな溜池では,周囲の斜面勾配による画像の歪みの影響により,必ずしも明確に抽出することができないことが明らかとなった.
著者
櫻井 春輔 清水 則一 皿海 章雄 古谷 茂也
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.1993, no.475, pp.137-142, 1993-09-21 (Released:2010-08-24)
参考文献数
20
被引用文献数
1 8

長大斜面や大規模露天掘りピットなどのような, 広範囲な領域における地盤の変位測定にGPS測量を適用することを考えた. 本報告では, GPS測量による変位測定の精度をシミュレーション実験を行い調査し, さらに, 実際の長大切取斜面の変位測定にGPSを適用してその実用性を明らかにした.
著者
櫻井 春輔 清水 則一 芥川 真一 吉田 秀典 佐藤 稔紀 山地 宏志
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F (ISSN:18806074)
巻号頁・発行日
vol.62, no.4, pp.662-673, 2006 (Released:2006-12-20)
参考文献数
25
被引用文献数
1

超大深度地下開発のアプローチとなる超大深度立坑は,その重要性を再認識されつつある.しかし,国内石炭産業の縮小に伴い,深度1,000m級の立坑はほぼ20年以上施工されていない.筆者らは超大深度立坑技術の継承と,定量的な立坑設計技術の確立を目的として,過去に施工された超大深度立坑の技術文献調査,およびかつて施工に従事された技術者からの聞き取り調査を実施し,立坑工事において発生する蓋然性の高い崩壊形態を調査した.その結果,立坑における崩壊のほとんどは高抜けと異常地圧による覆工破損の二つに分類されることが明らかとなった.さらに,その発生状況を検証したところ,この二つの現象は同じ原因により発生するものと判断された.